スピーディーかつ低コストな契約業務に決済も

紙と印鑑による契約書は、作成、締結、保管に手間と時間とコストがかかる。がそれももう昔の話で、クラウドサービスの普及したいま、Web上ですべてが完結する。ただし契約と同時に決済は行えない。

(BP-Affairs編集部)

現状が変わる。発表を行ったのは、1995年の設立以来、常に時代を先取りしながらインターネットの成長と共に歩み続けてきた株式会社デジタルガレージ(DG)だ。同社によると、法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」を運営し、Web完結型のクラウド契約サービス「クラウドサイン」を提供する弁護士ドットコム株式会社と、DGの子会社で決済事業を手がけるベリトランス株式会社と、株式会社クレディセゾンはサービス連携し、「クラウドサイン」での契約締結と、契約にかかわる決済を同時に実行できる「クラウドサインペイメント」を開発し、契約から決済までが一元化された日本初のクラウドサービスを、今年8月に開始する予定とのことだ。

旧来の紙と印鑑による契約作業をクラウドに置き換え、契約締結のスピード化と、郵送代や紙代および事務作業などの間接費のコスト削減を実現する「クラウドサイン」。ここでの契約締結と同時に決済を実行することが可能になるサービス、「クラウドサインペイメント」は、契約工程と同様に紙と印鑑による作業が発生していた、契約にもとづく請求業務や取引先からの代金回収、与信業務を軽減する。

①請求書作成、印刷、送付、入金確認などの事務作業が不要になり、コスト削減につながる。
②最短2営業日後の入金で、振込などによる代金回収よりも入金サイクルが早まる。
③月額課金サービスにおいては、毎月発生していた請求業務が一切なくなる。
④決済手段はクレジットカード決済となりますので、取引先与信リスクが軽減される。
⑤支払者側は振込作業が不要になり、業務効率化につながる。

といったメリットにより、約920兆円の国内法人決済市場において、過半数を占める旧来の決済手段(銀行振込や小切手などによる支払)に対して、クレジットカード決済額が0.3%にとどまっている状況を変える。「クラウドサインペイメント」の開始により、あらゆる商流の起点となる「契約締結」と「決済」を同時に実行できるサービスを提供することで、法人決済市場のキャッシュレス化を推進していくという。

DGとクレディセゾンは、2016年7月に、オープンイノベーション型の研究開発組織DG Lab」「DG Lab」を株式会社カカクコムと共同設立し、重点研究領域の一つとして仮想通貨の基幹技術である「ブロックチェーン技術」を活用した、新たなプロダクトを開発している。ほかに、弁護士ドットコム、DG Lab並びにDGの投資先でブロックチェーン関連技術の開発を手がけるBlockstream社と共同で、契約締結・決済・履行管理などの契約関連業務が自動執行され、契約締結実務をより効率化かつ安全に進める技術「スマートコントラクト・システム」の開発を推進していて、今後も各社が連携し、法律および金融と技術の融合を通して、業務の効率化を図るサービスを提供していく計画とのことだ。