世界遺産の玄関口にて、タブレットで観光案内

広島県廿日市市の宮島、厳島神社が世界文化遺産に登録されて21年目。訪日外国人旅行者も増加傾向にあり、広島電鉄はその玄関口である宮島口もみじ本陣前に、英語対応可能なスタッフが常駐する「HIROSHIMA MIYAJIMA-GUCHI TOURIST INFORMATION CENTER」を開設した。

(BP-Affairs編集部)

一日乗車乗船券や広島ピースパスの発売、各種パンフレットも取り揃えているという。同ツーリストインフォメーションセンターにおいて、業務の効率化、観光情報の知財化を支援するタブレットサービスの実証実験が始まった。
宮島口の案内スタッフ派遣を受託したJTB中国四国が原爆ドーム近くに設置した、「HIROSHIMA ORIZURU TOWER TOURIST INFORMATION CENTER」(おりづるタワーTIC)でも同様の試みが行われる。

サービスを提供するのは日本ユニシスだ。
日本政府観光局(JNTO)によると、昨年の訪日外国人数は2,400万人を越えていて、今年も3月時点で前年同月比を上回っている。そして外国人観光客の訪日の目的が、"モノ消費"から"コト消費"へシフトしていて、観光のハブとなる案内所では多言語対応はもとより、幅広く、かつ正確な観光情報の提供が求められるようになってきたという。
同社は一昨年から全国主要な観光案内所の課題分析に取り組み、今回、案内所のスタッフが観光客からの問い合わせに対し、タブレットを使って適切、丁寧、かつ迅速に対応できるサービスの企画に至ったとのことだ。

・ 地図データと連動した観光案内:現在地からの所要時間・距離、ジャンル(食べる・見るなど)、平均予算などをキーにした観光スポットの絞り込みが可能。
・ 観光案内所スタッフ間の知財を共有:観光情報や連絡事項をクラウド上に保存し、全スタッフで共有することにより情報提供の均質化を実現。
・ 多言語コンテンツ:外国語に堪能なスタッフがいなくても、外国人観光客の言語に合わせた情報提供が可能。既存のアナログコンテンツを電子化して活用。
・ 電子パンフレット:スペースの関係などで設置できなかったパンフレットや、近隣/遠方など他地域のパンフレットも電子化して観光客に提供。
・ 誰でも使いやすいユーザーインタフェース:タブレット操作に慣れていないスタッフでも操作できる簡単ユーザーインタフェース。

といった特長を備えたタブレットサービスにより、観光案内所のスタッフが観光客の"知りたい"情報を正確、迅速に提供できるため、観光客への案内時間、および観光客の待ち時間が短縮される。観光案内所の持つ多くの情報の中から、観光客の希望に沿った情報を的確に提供することで、観光客の"満足度"向上が図れる。と同時に、スタッフの"おもてなし力"向上につながることが、今回の実証実験で期待されている。