ヒト、モノ、コトをつなげる製造業向けプラットフォーム現る!

IoTとは、Internet of Thingsの略であり、あらゆる物事をネットにつなげる仕組みとサービスの総称である。 と、そんな説明は不要になりつつある。この頃、人工知能も単に「AI」と表記するだけで通じるし、13年前に提唱されたデジタルトランスフォーメーション(DX)は、IT(情報技術)の浸透が社会および生活を良い方向に変える、といわれるまえに、スマホを操作して実感できている。

人々が集まる企業において、IoTやAIを駆使して、業務効率を上げたり、新しいモノやコトを生み出したりしたいと考えるのは自然な流れだ。
あとは行動あるのみ。だがどうすればIoTやAIを活用できるのか、AIの導入はマーケティングや経営企画、情報システム部門に任せるにしても、IoTは製造や物流などと直結しているから自分たちで決めなければ、と、一歩目でつまずくかもしれない。

産業界のDXを後押しする経済産業大臣が今年3月ようやく、日本と同じく製造大国であるドイツと、第四次産業革命における協力の枠組みを定めた「ハノーバー宣言」に署名したばかりである。日本からの国際標準化を目指して1月にInternational Electrotechnical Commission(IEC)にIoT/インダストリー4.0に関する横断的モデルを提案しているにしても――。サイバー空間とフィジカル空間(現実世界)とを融合させた取組により、人々に豊かさをもたらす「超スマート社会」を未来の姿として共有し、その実現に向けた一連の取組を更に深化させつつ、「Society 5.0」として強力に推進していく(引用:経団連 知的財産委員会資料)と政府がいっても。

多くの企業は、いま活用できるプラットフォームを探しているのではないだろうか。
自身が大手製造会社であり、ものづくりのノウハウを蓄積しているIT企業――富士通はきょう、日本の製造業における競争力強化を支援するサービスおよび設計から製造、保守までものづくりのあらゆる情報をつなげるプラットフォームを、ものづくりデジタルプレイス「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA(コルミナ)」として新たに体系化したと発表。その販売を開始した。

「COLMINA」は、工場における人・製造物などの位置情報や設備情報だけでなく、ものづくり全般に関わる業務システムやノウハウの連携、さらに企業間でのサプライチェーン連携などを実現するという。「COLMINAサービス」、「COLMINAプラットフォーム」、「COLMINAエッジ」で構成されている。
製造業の新たなサービスを生み出す「COLMINAプラットフォーム」では、同社のヒューマンセントリックAI「Zinrai」のAPI提供も予定されている。

富士通は、今後、同プラットフォームと他社プラットフォームとの連携等により、ものづくり業務全体のデジタル革新を強力に後押しするとともに、ものづくり企業の熟練工が持つ設計・製造・保守に関するナレッジの共有、人材の発掘やマッチング、企業間の協業や共創の実現を支援していくとのことだ。