2017年5月11日 (BP-Affairs編集部)
特殊な使用例を除けば、Excelを各種データ管理業務の中心に据えることは妥当だろう。
それでも異なるチーム間でデータを共有したり、複数のスプレッドシートをまとめてレポートにしたり、リアルタイムに近い形でデータを確認したい場合には、複雑な手間が要るとか、長い時間を要するとか、最新データをタイムリーに見られないなどの課題が残る。
1959年に創業し、「Shinka(深化×進化=真価)し続けるゼネコン」東急建設は、全国に点在する数多くの作業所で今後予定されている工事案件の実績・予測値を基幹システムで月次把握していて、各支店では、作業所の工程や原価、予定案件の受注失注など最新動向に応じ、より適時に年度予測を行う。これまでの基幹システムからデータを連携させ、Excelベースでシミュレーションする方法では手順が煩雑で、進行基準算出式の複雑化による計算ミスの発生などの課題を抱えていたという。
経営管理資料作成、分析業務のツールもExcelがメインだったため、各システム上のデータと各部署がExcelで作成したデータを手作業で組合せて集計していて、レポート化するのに多くの時間を要し、決算時には、資料作成が担当者の大きな負担となっていたとのことだ。
2020年東京五輪以降の環境変化に対し、生産性の向上と収益基盤の拡大が大きな課題として認識されていた。そこで、全社的な取り組みとして「Shinka×ICT(シンカバイアイシーティー)」を掲げ、コーポレートITの全面的な見直しに着手し、その一環として管理会計システムの構築を決定。
TISインテックグループのTIS株式会社が提供する、オラクルの予算管理クラウド「Oracle Planning and Budgeting Cloud Service」(Oracle PBCS)に白羽の矢を立てた。
Oracle PBCSを選択したのは、「業務要件の変更に柔軟な対応が可能で、将来的にも拡張性が高い」、「一部の業務から早期かつ短期に導入できるクラウドサービスである」、「直感的かつ容易な操作が可能なサービスである」、「セキュリティを含めたオラクルのクラウドサービスの高い信頼性」などを評価したためであり、TISを選んだ理由は、このクラウドサービスを含めた「オラクル製品の豊富な実績」、「会計分野での業務に精通をしているメンバーが多数いて、システム導入経験が豊富な点」だったという。
東急建設は、新管理会計システムを今年度上半期に全社展開・本格運用し、以降、更なる機能拡張を進める計画だ。また、下半期には、営業活動中の予定案件の受注確度に応じた予測および予算管理を行う「受注予測シミュレーション機能」の実装を予定している。