新電力サービスをパワーアップ

そんなにあったのか、と声が漏れる。 経済産業省 資源エネルギー庁のウェブサイトで確かめると、昨年4月の「電力の小売全面自由化」以降、今年4月までの登録小売電気事業者の数は394。供給予定地域は全国に広がっている。これで電力料金が下げれば消費者にはうれしい話だが、過当競争ではないかと一抹の不安を覚える。

2017年5月11日

いわゆる「新電力事業者」では、経営の効率化やダイナミズムが必須だろう。電気は電気。ユーザーに対しては料金と安定性のほかにアピールできることがほとんどないのだから――。再生可能エネルギーを謳っても、共鳴してくれるユーザーは少なく、よほどのナチュラリストでなければ、それも料金次第だ。たとえば"ECO"に敏感な米国の超大手ITサービスベンダー、すなわち超大口電力ユーザーは自社データセンター用に自ら水力発電所などを建設している、と、そこまでのパワーユーザーがいないにしても。

日本国内において、電力小売自由化開始当初は、一般電気事業者から新電力事業者への契約切り替え(スイッチング)が主流だったが、今後は新電力事業者間での顧客競争が激化していくことが予想されている。このような環境下においては、電力事業者は、電力提供に加えて市場ニーズを捉えた付加価値サービスの提供と需要家への訴求力を高めていくことが求められていて、需要家接点強化や、需要家傾向分析や需要分析等に伴う業務の効率化が課題となっている。と、株式会社NTTデータはいう。

そして同社はきょう、電力事業者向けクラウドサービス「ECONO-CREA®(エコノクレア)」に、マーケティング機能「ECONO-CREAマーケティング(ポータル/CMS)」と「ECONO-CREAマーケティング(BI/DWH)」を新メニューとして追加し、本日より提供開始することを発表した。

電力ビジネスに必要な機能を一元的に提供するアプリケーションプラットフォーム「ECONO-CREA」。ここに今回追加された「ECONO-CREAマーケティング(ポータル/CMS)」を導入することで、電力事業者はコンテンツ管理やアカウント管理が容易に可能となり、需要家にとって利便性の高いポータルサイトを自由度高く構築することができる。また、「ECONO-CREAマーケティング(BI/DWH)」を導入することで、「ECONO-CREA CIS(顧客管理システム)」で管理している顧客データや電力使用量データなどを蓄積するDWHと分析を行うBIツールを利用することが可能となり、電力データの統計情報の集計、定期報告レポート作成などの業務効率化やコスト削減を図ることができるという。

NTTデータは、今後も、より利便性の高い機能を「ECONO-CREA」に拡充して、新電力事業者のビジネスへ貢献するとともに、電力小売自由化向けサービス全体において今年から5年間で累計100億円の売り上げを目指すとのことだ。