人工知能の活用により、『働き方改革』を推進

こう言って、首相官邸では"働き方改革実現会議"が重ねられている。 「我が国の経済成長の隘路(あいろ)の根本には、少子高齢化、生産年齢人口減少すなわち人口問題という構造的な問題に加え、イノベーション の欠如による生産性向上の低迷、革新的技術への投資不足がある」

厚生労働省は、「働き方改革」は一億総活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジであり、日本の企業や暮らし方の文化を変えるものだという。そして、大手新聞社はこの改革の特集を組み、企業はその第一歩として、「プレミアムフライデー」の旗を立てる。
忖度よりも行動が肝要だと、真のイノベーションを目指し動き始めた企業もある。

いまや米国のビジネスパーソンにも通じる"Kaizen"は、日本企業の得意技だ。ただ、これまで、それがモノや生産工程などに向けられていただけである。
すべての組織の最重要リソース――ときには石垣になり城にもなるヒトと、ヒトを取り巻く環境に"Kaizen"を施していけば、自ずとイノベーション「働き方改革」は成る。
――人工知能(AI)なんて道具であり、そのためにあるようなものだ。使わない手はない。

グループに2万人を抱えるTISインテックグループのTIS株式会社はそれを具現化、つまりAIを使った働き方改革推進の支援を始めた。
企業内の人事データを機械学習エンジン(AI)で分析し、人材マネジメントに向けたロードマップ策定を行う、「HRアセスメントサービス」の提供をきょうから開始したのだ。

サービス開始に先立ち、TISでは、「Oracle Database Cloud Service」のオプション機能を活用し、自社の人事関連データを用いた実証実験を行ったという。そして、組織力向上や優秀人材の獲得、退職者抑制などの課題抽出や人材モデル構築を行い、個人の特定をしない状態で過去データとの対比を行ったところ、退職者予測モデルでは高精度な予測を実現することができた。

「HRアセスメントサービス」は、以下のような特長を備えていて、「働き方改革」の実現に向けて、課題(仮説)の「発見」や、その為の取り組みのロードマップの策定を提言する。
① データサイエンティストの機械学習による分析に、豊富な知識を持つ人事コンサルタントを加えたチーム編成で、高度な分析アウトプットとファクトデータに基づいて提案。② 一過性のデータ分析に留まらず、分析結果を元に今後の取り組み計画を提言し、企業の人材マネジメントをトータルでサポート。③ TISが保有する分析基盤の活用により、環境構築にかかる期間・コストを削減。④ 対象データの抽出元システムに制限はなく、あらゆるシステムからのデータで分析可能。

人事上の課題は認識しているが、「何から手をつければ良いかがわからない」とか、取り組むべき課題は明確だが、「その取り組み方がわからない」とか――。あるいは、 取り組みを始めるにあたって上申に必要なファクトデータ(必要性、費用対効果)がないとか、どんな情報があれば課題解決ができるのかわからず「見える化」の段階でつまずいているとか、同サービスは、さまざまなステージで役に立ちそうである。

そしてそれは率先垂範、いつも人のことばかり考えて苦労している人事部門の人たちの、働き方改革につながるはずだ。