2017年4月26日
フィンテック専業の会社も次々と誕生し始めている。海外では、金融機関とフィンテック企業との協業が進んでいて、世界71カ国、1,300名を超える両組織のエグゼクティブに対する調査結果をまとめ分析した、PwC Japanのレポート「グローバルフィンテック調査2017 日本分析版‐変わる境界:拡大するフィンテックの影響」によると、45%の金融機関がフィンテック企業とのパートナシップを結んでいる。一方、日本の金融機関は30%がイエスと回答――出遅れているものの、91%が今後3~5年の間でパートナシップが拡大していくと答えたとのことだ。
フィンテックにおける日本と海外との違いはほかにもある。この記事の冒頭に並べた項目は後ろに行くほど"消費者"に近い仕組み、サービスであり、UX(ユーザーエクスペリエンス)/UI(ユーザーインターフェース)が、それを使うか使わないかの判断材料になり得る。
海外FinTech領域では、UX/UIデザインに初期から注力した企業が成長、大手金融機関によるデザイン会社の買収事例が相次ぎ、金融分野におけるUX/UIデザインの重要性が注目されているという。IT業界のデザインカンパニー、株式会社グッドパッチは、FinTech領域に特化したUX/UIデザインチームを発足し、FinTech関連企業へのUX/UIデザインの技術提供を強化することを発表――。
最初のプロジェクトとして、今月より株式会社SBI証券と共同プロジェクトを開始。SBI証券のネット証券事業におけるUX/UIデザインの改善、さらには組織へのデザイン文化の浸透を共に推進することを目指すとした。
発足チームは、新規サービス創出や既存サービス改修を検討しているFinTech関連企業に対し、グッドパッチが強みとする顧客視点に立ったUX/UIデザイン、開発までを一貫して提供。人の生活に密接に関わるFinTech関連企業と共に、人とお金の関係性にフォーカスし新しい体験価値を創出する。そして今後、技術提供以外に、FinTech業界・デザイン業界双方に有益なデザイン・開発ノウハウの発信・共有をするラボを設ける予定だとした。