いま自動車産業界で起こっていること

幼い頃、クルマは憧れの乗り物だった。青年期にはクルマが自己の視野と活動の幅を広げ、友人や恋人と過ごす場となり、それを所有することは一種のステータスであった。そして、プロドライバーになった人も多い。

そんなクルマとクルマを取り巻く環境が様変わりし始めている。カーシェアリング、ライドシェア、プリウスから始まったHV、EV、PHV、そしてFCV(燃料電池車)に、レベル3/レベル4自動運転車両、つながる車(コネクティッドカー)など、かつて自家用車を土足禁止にしたり、「オレのはGuzzler(大ガソリン飲み)でよー」と困ったふりの自慢をしたりしていた人たちが息をのむような話が、"あのデロリアン"の如くあちこちに飛び交っている。

いま、自動車産業が大きな変革期に直面している。ここで起こる"Disruptive"――破壊的な変化を読み解くとして、ドイツ創業で欧州コンサルティングファームの草分け、株式会社ローランド・ベルガーがその調査結果"Automotive Disruption Radar"を公表した。

調査は新しいモビリティの考え方や自動運転、相互接続性、デジタルサービス、電動化など25の変化や影響を、消費者、規制、テクノロジー、インフラストラクチャ、産業活動から成る5分野で観測して行われた。国は、世界の主要10ヶ国(中国、ドイツ、フランス、イギリス、インド、日本、オランダ、シンガポール、韓国、米国)で、1万人以上の消費者アンケートを実施したという。

結果、自動車関連産業は歴史的なディスラプション(破壊的変化)に直面しているとした。
自動運転と電気自動車は広く支持を得ている。自動運転が実用化されれば、自家用車の購入を控える消費者は全世界で46パーセントに達する-オランダ(59%)、日本(56%)、シンガポール(51%)。そして、37パーセントの消費者は「電気自動車を魅力的な選択肢」として考えている-中国(60%)、韓国(54%)、日本(22%)とのこと。

46%の消費者はロボットタクシーが自由に低価格で利用できれば、「今後は自家用車を購入しない」と回答。この傾向は人口密度の高い都市を有する国に見られ(オランダ59%、日本56%、シンガポール51%の順)、国土の広い国ではロボットタクシーに消極的(米国35%、インド33%、中国27%)だっだとした。

「新しいモビリティ」(カーシェアリングやライドシェア)に対して、シンガポールと中国はそれぞれ80%以上の回答者が身近な存在としたのに、英仏日米の消費者は消極的だった。ほかに、「E-モビリティ」(EVやPHEV)では、中国の購買意欲が最も高く、日米韓および欧州の消費者は電気自動車購入の際にネックとなるのは値段だと答えていて、次に電気自動車の購入を検討すると答えた日本の消費者は22%に過ぎないとした――国民性や地域差を浮かび上がらせた、ローランド・ベルガー社の調査結果はとても興味深い。

自動車産業で起きる非連続な変化を読み解く "Automotive Disruption Radar"を公表 -主要10カ国、5分野より定点観測

カテゴリー: 情報通信 , 自動車   

加藤 賢造

加藤 賢造 (Kato, Kenzo)Author

外資系大手IT企業の立ち上げからフィールドマーケティングやSE、上級管理職などを歴任して、米国スタートアップ(のちにNYSE上場)の日本法人代表取締役を務めたあと、現在、フリーランスコンサルタント兼ライター

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