産業用、あるいは接客用ロボット。重い荷物を上げ下げする人を補助したり、失った手足の代わりになったりする部分機能型や、介護用もこれから増えてくるだろう、さまざまなロボットは人と同様、関節を持っている。
グルコサミンやコンドロイチンの摂取を必要としないが、関節の動きに性能が左右される。
見た目の出来映えだけでなく、ロボットの関節は仕事の質、効率、そして安全性にも関わるのだ。
世界をなめらかにする仕事を続けて100年。その間には機械工業界で初のデミング賞を受賞するなどしたNTN株式会社はきょう、ロボット関節などの用途に、薄型かつ軽量で、角度を高精度に検出できる「薄型・高精度角度センサ」を開発したと発表した。
これにより従来の「高分解能回転センサ付軸受」――2007年に回転検出能力を最大40倍に高めた回転センサ付軸受よりも、さらに高精度な角度検出が可能になったという。
開発の背景には、近年のロボット市場におけるニーズがあった。
ロボットには緻密で高精度な位置決めが要求されていて、高精度に回転角を検出する角度センサの開発に着手。そして、リング部材にゴム磁性体を複合成形した後、極数の異なる2列の磁気トラックをゴム磁性体に着磁させた複列磁気エンコーダと磁気センサで構成している、今回発表の「薄型・高精度角度センサ」は、従来のエンコーダ――N極とS極のペア配列(極対)が32/31極対――に対して、64/63極対での配置となっている。そのため、高度な角度検出が可能である一方、隣り合う磁気トラックに影響を与えない。NTN社独自の高精度な着磁技術により、実現された。
4月19日から幕張メッセで開催される「テクノフロンティア2017」において、テクタイト株式会社の展示ブースに参考出品する。
ラジアルタイプのほか、アキシアルタイプも開発するという。同社は市場ニーズを確認しながら、「薄型・高精度角度センサ」の商品化、今回の開発品と軸受とのセット商品の商品化を進めていくとのことだ。