世界初、生体組織の3次元画像診断

国内の内視鏡手術は既に17万件を超えている。

KTN(タンタル酸ニオブ酸カリウム)結晶は、電圧で屈折率が変わる特殊な電気光学効果を持つ材料で、その効果は既存材料の中で最大である。この効果により光の偏向(スキャン)を従来材料の1/100の電圧で実現でき、これを、レーザー光を偏向するデバイス(光スキャナー)に用いることで、従来の光スキャナーに比べ、大幅に高速・小型・低消費電力で駆動させることが可能になるという。

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、「クリーンデバイス社会実装推進事業」において、NTTアドバンステクノロジ(株)および大阪大学とともに、KTN結晶を用いた光スキャナー(KTN光スキャナー)を、硬性内視鏡に組み込んだ。

手術の際、患部に小さな穴をあけて筒を体内に挿入し、患部のイメージを観察しながら手術を行う硬性内視鏡――その金属性の筒が要求する実用的な大きさ(手のひらサイズ)の実現には、KTN結晶の優れた電気光学特性が不可欠――すなわち、KTN結晶だからこそ実現できた応用例である。この硬性内視鏡を光干渉断層計(Optical Coherence Tomography:OCT)と組み合わせて用いることで、世界で初めて硬性内視鏡による生体組織の3次元イメージングに成功した。

これにより、体の表面に小さな穴を開けるだけで、組織内部のイメージをリアルタイムに低侵襲な診断・治療を行うことが可能になる。

「小型かつ透過型のKTN光スキャナー」
「可動部分が無い安定な動作」
「電気光学効果による低消費電力動作」

といった開発成果が得られた、「3次元イメージングが可能な硬性内視鏡」は、従来の内視鏡手術やロボット手術にも展開でき、幅広い医療分野での使用が期待される。今後、NTTアドバンステクノロジは、整形外科をはじめとする内視鏡手術に係る幅広い医療分野への展開を目指し、診断・治療用デバイスとして医療機器メーカーへの提供を進めるとのことだ。

上記成果および実物は、2017年4月19日(水)~21日(金)の間、パシフィコ横浜で開催される「レーザーEXPO2017」のNTTアドバンステクノロジ(株)ブースにて確認できる。

世界初、硬性内視鏡で生体組織の3次元イメージングに成功

カテゴリー: 情報通信 , ロボット/AI , ヘルスケア   

加藤 賢造

加藤 賢造 (Kato, Kenzo)Author

外資系大手IT企業の立ち上げからフィールドマーケティングやSE、上級管理職などを歴任して、米国スタートアップ(のちにNYSE上場)の日本法人代表取締役を務めたあと、現在、フリーランスコンサルタント兼ライター

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