未来のクルマ、始まる

ルネサス エレクトロニクス株式会社、自動運転時代に向けた新たなコンセプト「Renesas autonomy™」を発表

人工知能(AI)、ロボットと並んでいま、メディアを賑わし、さまざまな業界関係者から熱い視線を送られているのが、自動運転技術だ。
それは自動車と自動車メーカーに革新を、そして運送・運輸業界に安全と安心、効率化をもたらすだけでなく、「つながる車」の基盤になるため、国内外の通信事業者やITベンダーなども、自動車メーカーとの協業機会を虎視眈々と狙いつつ、技術開発で鎬を削っている。

これまで車載用電子部品や機器を提供し続けてきた企業は、そのテクノロジーと製品にいっそう磨きをかけていく必要がある。
ライバルは世界中に存在しているうえに、新たに生まれたり、旧来の殻を脱ぎ捨てて変身したり、オートモティブ分野に強い企業を買収したり――。モバイル、スマホ用半導体チップでさんざん稼いだ米クアルコムが、車載用半導体に定評のあるオランダのNXPセミコンダクターズを買収したのがその一例だろう。PC市場にもはや期待が持てない米インテルが、「車載」を強烈に意識し、この領域の開拓をすでに始めた。

車載用半導体・電子部品市場では、国内ベンダーも海外勢に負けてはいない。
ルネサス エレクトロニクス株式会社はその一社、おそらく筆頭だろう。

同社はきょう、自動運転時代に向けた新たなコンセプト「Renesas autonomy™」を発表。その第一弾として、世界のNCAP (New Car Assessment Program)安全基準を満たすスマートカメラ向け"System on Chip"――「R-Car V3M」を発売した。

高性能画像認識向けSoCのR-Car V3Mは、高性能な画像認識機能を実現しながらも、自動車用機能安全規格ISO 26262をサポート、画像の絵づくりや認識処理向けにセンサ信号の変換処理を行うISP(Image signal processor:画像センサ信号処理エンジン)も搭載し、カメラ一体型システムに最適だという。

――未来のクルマの眼になるわけだ。

Renesas autonomy について、ルネサスは、自動運転時代の車はセンシング・車両制御だけでなくクラウドサービスとも連動したものとなっている。求められる技術はすべての機能が広範囲に連動し、より高い信頼性が求められる一方、個々の技術への要求もより高度となり、エンド ・ツー・ エンドのトータル・ソリューションの要求が高まっているとした。そして、自動車市場で長年培った経験と実績をもとに、これら要求される複雑かつ高度な技術をオープンなプラットフォームとして提供すべく、自動運転時代に向けた新たなコンセプトを披露したという。

エコシステムを充実させるオープンな開発プラットフォームでもあるRenesas autonomyは、195社のパートナーを有する共同体、R-CarコンソーシアムにおいてもADAS・自動運転分野でこれを支えるパートナーが増え続けているとのことだ。