経済新聞が第一面に人工知能(AI)とロボットを特集する時代になった。いまやその活用は経営課題と言えるだろう。
工場の生産性を上げたり、無人化を図ったりするほかに、コールセンターのオペレーション、ロボットにQ&Aの支援をさせるといったことは、テクノロジーによる自動化、もしくはアシスタント機能の充実という、従来路線を延長するに過ぎない。ただ、いまのロボットは格段に賢くなっていて、精度の高い仕事ができる。人並以上の小説を書き、群衆の中に「あの男」を見付け、囲碁棋士にさえ勝てる。能力は、機械学習(Machine Learning)や、深層学習(Deep Learning)技術によるものだ。
そんなロボットを人事や財務会計などのホワイトカラー業務に活かす、定型業務を自動化する取り組みを、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)と呼ぶ。
RPAを社名に冠したRPAテクノロジーズ株式会社(東京都港区)は、ソフトウェアロボットの「BizRobo!シリーズ」を提供している。そして、同シリーズの基本――あらゆるロボットに必要な基盤ロボ製品であり、PCにソフトウェアをインストールするだけで即仕事に取り掛り、学習もする「Basic Robo!」が、株式会社キャリアマートでさらに進化して働き始めたことを、きょう発表した。
人と企業のベストマッチを創る総合人材サービス会社、キャリアマートでは、2014年に「Basic Robo!」を活用した採用業務自動化ロボットの開発に着手。2017年3月1日時点で約400体のロボットが稼働していて、採用業務の効率化を推進している。
そして今回、新たに応募者のデータを1つの採用管理システムで管理する場合に生じる、応募者データの移行作業を自動化する機能を追加したという。
移行作業は単純作業だ。けれども毎日集計する必要があり、従来、応募媒体が複数ある場合には、各媒体から求職者データをダウンロードし、それを採用管理システムにアップロードし、取込完了メールを送るまでの作業に多大な時間を費やしていた。この一連の作業をロボットに任せることで、採用担当者はメールを受け取るのみになった。月に約8時間かかっていた作業を30分に短縮できたという。
ロボットは24時間365日働きづめでも疲れを知らず、モチベーションが下がらない。ゆえにキャリアマートでは、これまで散見されたヒューマンエラー、長時間の単純作業によるミスが一掃されたとのことだ。