横河電機株式会社(YOKOGAWA)は、子会社の横河ソリューションサービス(株)が、王子ホールディングス(王子グループ)の4工場向けにSDN(Software-Defined Networking、ソフトウェア定義ネットワーク)技術を用いた工場ネットワーク更新プロジェクトを受注し、導入を終えたと発表した。
YOKOGAWAの調べでは、2017年3月時点でSDNを生産現場のIT基盤に本格的に導入するのは日本で初めてのことであり、同社は、既設ネットワークを含むIT基盤の調査、改善設計および導入を行ったとのことだ。
生産制御システムの豊富な納入実績と、生産性や安全性、製品品質を向上するためのさまざまなソリューションの提供を通じて培った、YOKOGAWAの生産現場に関する経験と知見が王子グループに評価され、同グループの次世代工場ネットワークへの更新プロジェクト受注に繋がったという。
SDN対応の通信機器には、実績豊富なNEC製「UNIVERGE PFシリーズ」を採用。操業への影響を最低限に抑えながら、既設ネットワークを含むIT基盤の調査、改善設計、そして導入を行った。現在、YOKOGAWAによる工場内の通信状態および通信の健全性監視――セキュリティ運用管理サービスを試行提供している。予防施策を適時施し、工場内通信の健全性を確保するなかで、不測事態の際の迅速な対応を実現するとのことだ。
あらゆるモノをインターネットにつなぐIoT(Internet of Things)への取り組みがいま、日独米の産業界を中心に、様々な地域および分野で進展をみせている。未来のスマート家電やコネクティッド・カー(つながる車)も、安全かつ柔軟なネットワークがあってこそのものである。
そしてYOKOGAWAは、世界中の工場で生産性、安全性、保全効率の向上のために、Industrial IoT(IIoT)の活用ニーズが高まっているという。
SDNをはじめとする最先端のIT技術に自社の生産現場のノウハウを融合することで、工場のITインフラ環境のスマート化に貢献していくとした。