クラウド全体の採用率は微増にとどまる

ガートナー ジャパン、日本におけるクラウド・コンピューティングに関する調査結果を発表

顧客が日々直面する課題に対して正しい決断を下せるよう、テクノロジ面からの知見を提供するガートナージャパン株式会社はきょう、日本国内におけるクラウドコンピューティングに関する調査結果を公表した。

2017年1月に実施した調査では、クラウド・コンピューティングの採用率は平均して2016年から0.8ポイント増加し、2017年は16.9%という結果だったという。
また、今後1~2年における外部クラウドとオンプレミスへの投資意欲について尋ねた結果、日本企業の外部クラウドに対する投資意欲はオンプレミスの倍以上となった。
両調査の結果から、クラウド・コンピューティングというキーワードが世の中に登場して10年以上が経過した現在、クラウドは当たり前のものとなりつつあるが、投資意欲が高まっている割にクラウドの採用が伸びていないことが明らかになったとした。

クラウドは、具体的な検討段階でユーザーが引き続き慎重な判断を行ってる。オンプレミスへの投資意欲は減少傾向にあるが、プライベート・クラウドについては伸びていることにも注意が必要だ。
サービスとしてのソフトウェア (SaaS)、サービスとしてのプラットフォーム (PaaS)、サービスとしてのインフラストラクチャ (IaaS) などさまざまなものがあり、それぞれ採用率は異なる。SaaSは以前から利用率が高く、ここ1年で採用率が大幅に増加。PaaS、プライベート・クラウド、ハイブリッド・クラウドについても着実な増加が見られる。一方、IaaSに関しては、いまだに多くの誤解が見られることが利用を阻害する最大の要因になっている。

――というように分析した同社のバイス プレジデント 兼 最上級アナリストの亦賀 忠明氏は、すべてがクラウドになるといった極端な解釈に警鐘を鳴らし、ユーザ企業がクラウドに臨む姿勢を語っている。
プレスリリースには、ガートナー社が予測する、クラウドの今後10年などが解説されている。