安全・安心・快適で環境にやさしい社会を構築するためにさまざまな分野で、デバイス、キット、プラットフォームという3つの半導体ソリューション、付加価値を高めた最適なサービスを提供する、ルネサス エレクトロニクス株式会社は、車載コンピューティングプラットフォーム「R-Car」向けに、ソフトウェアパッケージの提供を始めた。
同パッケージは外部の脅威からクルマを守るセキュリティと、故障しても安全に対処するための機能安全(セーフティ)を、単一システム上で両立させることが可能な、組み込み向けに最適化された仮想化技術を実現するものだという。
車載システムはいま、複数のシステムを統合した車載コンピューティングシステムへと進化を遂げつつあり、複数の車載システムを一つに統合することへの期待が高まってる。背景には、クラウド連携システム、インスツルメント・クラスタやドライバモニタリングなど、搭載される車載アプリケーションの数や規模が年々拡大していることがあり、クルマのコクピット環境では、より一貫した高度なユーザエクスペリエンスが求められているとのことだ。
そこでルネサスは、ITシステムにおいてすでに普及している仮想化技術を応用し、組み込み向けに最適化された仮想化技術をR-Car向けに開発し、仮想化OS向けソフトウェアパッケージにした。
新しい仕組みでは、セキュアブートやセキュアアップデートといったセキュリティ機能によって、自動車ユーザーのセルフメンテナンスが可能になる。ほかに、R-Carに搭載しているセーフティメカニズム(ハードウェアIP)をコントロール可能な機能安全用ソフトウェアによって、インスツルメント・クラスタのメータ表示や運転支援機能など、安全性を求められるアプリケーションをR-Carに搭載できるといった特長を備えている。
パートナ企業とも連携してクルマの安全安心ソリューションを広げていく――同社は、4月11日(火)、ザ・プリンス パークタワー東京(東京都港区)において、ルネサスの最大プライベートイベントである「Renesas DevCon Japan 2017」を開催し、「第3世代R-Carの使いこなしテクニック:仮想化+セキュリティ+機能安全」と題したセミナーを行う予定だ。