NTT-AT、多次元データ同時分類技術を活用した実証実験を開始

NTT-AT、ユーザーの状況に合わせたタイムリーな情報配信の実現に向けて

未来を拓くチカラと技術――をコーポレートミッションに掲げるNTTアドバンステクノロジー(NTT-AT)は、国立研究開発法人情報処理研究機構の成果である高度通信・放送研究開発委託研究「ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発」を活用し、観光公共施設において、ユーザーの状況に合わせたタイムリーな情報配信を行う技術の有効性を検証するため、実証実験を実施する。

上記委託研究において、NTT-ATは、「気象データ・地域ソーシャルデータを活用したリアルタイムデータ解析基盤技術の開発」として、人の動線や行動の変化をリアルタイムに解析する技術を開発してきたという。当該技術は、地域に配置された環境センサを利用して、天候の急激な変化など、刻一刻と変化する気象情報を捉えるとともに、Wi-Fiアクセスポイントの接続情報などからユーザーの状況を把握し、その状況に応じた情報提供を可能にするとのことだ。

実証実験では、災害時の交通弱者――ベビーカー利用者や高齢者などの状況をより詳細に把握するための技術であり、その向上にも取り組んできた、NMTF(Non-negative Multiple Tensor Factorization、複合非負値テンソル因子分解法)の特徴を活かしていくという。
NMTFは、複数の軸を持つ多次元的なデータを同時に分類する技術――異なるデータ間で共通的に現れる性質など重要な要素を抽出(因子分解)できるアルゴリズムであり、この技術を活用することで、複数ユーザーの状況を組み合わせて同時に分類することができる。

防災情報の配信では、災害発生時にいち早く情報が必要となる人を把握することが重要となる。
そのため実験では、観光公共施設の利用者へ貸し出しする端末のWi-Fi接続情報や、気象情報をインプットとして、あらかじめ構築した学習モデルを用いて、リアルタイムにユーザーの状況を把握し、タイムリーな情報配信を行い、その有効性を検証するという。