AIでビジネスの布石を打つ

TKCグループ、人工知能(AI)の研究開発へ 4月1日付で「AIリサーチセンター」を新設 -社長直轄の専門組織で、製品・サービスへの活用めざす

あらゆるデバイス、マシン、自然や人の行動から生み出されるビッグデータ。その量は、総務省による情報通信白書平成27年度版「我が国におけるビッグデータ流通量の推計」では2014年、9年間で9.3倍の14.5エクサバイト(145億ギガバイト)と見込まれていた。
のちにITマーケットではクラウドサービスの拡充、スマホの普及率上昇、IoT(モノのインターネット)の波の高まり、FinTech(金融とITの融合)の萌芽などがあったため、いま調査すると、上記推計にある流通量を示すグラフは、指数関数的カーブを描くことになるだろう。

ビッグデータに、人工知能(AI)/深層学習(Deep Learning)が活用されている。昨年、グーグルのアルファ碁が韓国のプロ棋士イ・セドル氏に勝利し、最も難しい頭脳ゲームである囲碁において、コンピュータが人間に追い付くことは向こう百年無いと信じていた世界を驚愕させた。
そして先週、日本棋院主催(特別協力:日本経済新聞社)の日・中・韓プラスAIの代表4者による国際大会において、日本製AIのDeepZenGo(ディープゼンゴ)が、日本代表の井山裕太王座を破り、3位でリーグ戦を終えた。

金融や物流システム、気象予測や災害対策、販売、交通、農業や工業などで使われはじめたビーグデータと、AI技術とを、自らのビジネス全般に利用することは、囲碁のアマチュア高段者も多い経営層や様々な組織のリーダーたちなら今、容易に想像できるに違いない。

中小企業のビジネスドクター集団「TKC全国会」の中核であり、会計事務所および地方公共団体に対する情報サービスに強みを持つ株式会社TKCは、AIの自社内利用と同社が提供する製品・サービスへの活用を図り、その実用化に向けた研究開発を加速する、「AIリサーチセンター」を新設した。