いまだ10社に1社が、情報漏えいを経験

独立行政法人 情報処理推進機構、「企業における営業秘密管理に関する実態調査」報告書を発表

"Better Life with IT"を掲げる独立行政法人、情報処理推進機構(IPA)が12,000社に行ったアンケート(有効回答:2,175社)の結果、過去5年間で8.6%の企業が営業秘密の漏えいを経験した実態が明らかになった。これは前回調査の13.5%よりも低い値だが、およそ10社に1社が依然として、継続的に情報漏えいリスクにさらされ、その対策に腐心していることを示している。

漏えいルートは現職従業員等のミスによるものが43.8%(前回調査の26.9%から増加)、中途退職者(正規社員)によるものが24.8%(前回調査の50.3%から減少)。一方、取引先や共同研究先を経由した漏えいは11.4%(前回調査の9.3%から微増)とのことだ。

企業が漏えいリスクを感じる社会動向変化の上位3項目は、「標的型攻撃の増加(51.9%)」、「スマートフォン・タブレット機器等の急速な普及(51.4%)」、「データの活用機会の増加(41.8%)」であるとし、過去5年間に漏えいを経験した企業は、「人材の流動化(59.3%)」 「他社との協業・連携機会の活発化(29.1%)」を多く挙げているという。
IPAは、漏えいを経験していない企業でも、日頃からこれらの観点を「社会環境変化に基づくリスク要因」として認識し、転職や他社協業に備えた施策が有用であるとした。

調査結果には組織規模や危機意識の違いによる傾向、対応の差が現れていて、「情報区分がしっかりとできている企業ほど、具体的な漏えい対策に関する取り組みも進んでいることが示されています」などと、IPAは指摘する。と同時に、取り組みが遅れている組織への参考意見を述べている。