IDC Japan、国内パブリッククラウドサービス市場予測を発表

ブームが去って、それが本当に必要なITユーザーと、本物のサービス事業者が、「クラウド」を牽引する時代になったと言えるのかもしれない。

昨年あたりから、「クラウドからオンプレミスへ」といったような話を耳目にするようになった。クラウドでは期待したほどのコスト削減ができなかったとか、システムの制御権や運用ポリシーを取り戻すためにとか、理由は色々だ。
 ブームが去って、それが本当に必要なITユーザーと、本物のサービス事業者が、「クラウド」を牽引する時代になったと言えるのかもしれない。

 ――クラウドが今後のITの主流になることは疑う余地はない。

 IDC Japanはそう断言する。と同時に、国内パブリッククラウドサービス市場は成長鈍化を乗り越えて、新たな成長期を迎えるとみている。背景には、国内企業のデジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)への取り組みがある。
 パブリッククラウドとして提供される「コグニティブ/AIシステム」、「機械学習」、「IoTプラットフォーム」がDXの実現を支援するという。

 日本のパブリッククラウド市場規模は、2016年に前年比30.5%増の3,762億円と推定されていて、2021年には1兆円を超えると予測されている。現状、コラボアプリがSaaSファースト、ERM(Enterprise Resource Management)アプリもクラウドファースト、あるいは「クラウドでも」といった戦略が顕著。かつWeb系システムではIaaS/PaaSが重要な選択肢となっていて、成長が続いているところへ、DXによる需要が加わるとの見立てだ。