スマホで一眼レフをスマートに遠隔操作「Polaris」
どれだけカメラの性能と撮影スキルに優れていても、それらでは撮影能力に限界がある。アクセサリーや最新のサポート機器を活用し、彼らの技術はさらなる高みへと到達している。
そして、優れた機器は優れた腕前を持たなくとも、その恩恵を受けられるものだ。特に近年はスマートフォンのカメラの発達などもあり、アマチュアでも美しい写真を撮影したいと考える人は多い。手軽に使える周辺機器の存在は、大きな市場を形成しているのだ。
「Polaris」はそんな一眼レフの撮影をより楽しく、そして美しくしてくれる三脚パーツとスマホアプリだ。バリエーション豊かな機能を存分に活用することにより、手軽にプロが手がけたような一枚を獲得できる。
スマート機能で写真撮影と編集に活躍
Polarisは、主に一眼レフ本体に装着する三脚のヘッド部分と、スマホアプリの二つによって構成される。三脚ヘッドをカメラと接続することで、Polarisによるカメラの制御を可能にし、スマホアプリからPolarisをコントロールするという仕組みだ。
このプロダクトが特徴としている最大の強みは、リアルタイムの優れた写真編集能力を有している点だろう。
例えば、ピープルリムーバー機能はPolarisの特徴的な能力の一つである。写真を撮影するとき、厄介な存在となりやすいのがフレームに侵入する歩行者などの存在だ。
特にモニュメントや自然風景を撮影する際には目に付くため、できる限り人のいない瞬間を狙う必要があるが、それでもアクシデントで入ってしまう時がある。
こういった事態を後からでも修正できるようにしたのが、ピープルリムーバーである。この機能を使えば、写真に入り込んだ人だけを自動で削除でき、まるで無人の状態で撮影したかのような美しさを、人工的に再現できる。
元々、人を無人に仕上げる加工はPhotoshopなどを使う必要があった。Adobe製品は高額であるだけでなく、ソフトを使いこなすスキルが求められたものだが、Polarisがあればそのような心配もなくなりそうだ。
あるいは、スタートラッキング機能についても非常に高いパフォーマンスを発揮してくれる。これは星空を撮影する際に使われるものだが、星空の撮影は日中の撮影に比べて遥かに難度が高い。
というのも、星空の撮影は光量が不足するため長時間シャッターを切る必要があるが、常に地球が回転していることで、どうしてもブレが出てしまうためである。
そこでPolarisはこのようなシャッター速度の問題を解消すべく、内部に搭載しているGPSとコンパスなどから位置情報と方角、角度を把握し、星空にブレが生まれないよう計算して撮影してくれる。
自動的に三脚の角度を必要に応じて微調整しながら、美しい写真をただ待つだけで仕上げてくれるというのだ。
写真撮影はもはや、カメラマンの撮影センス次第でいくらでも美しく撮れる時代になったと言えるだろう。
優れたシミュレーション能力をフル活用
また、Polarisは写真の撮影前から実際の撮影をシミュレーションして、あらかじめ最適な撮影が可能になるようコントロールする能力も備えている。
例えば、サンセットのシーンを撮影したい時だ。自分が撮りたい夕日の写真は、一体どのタイミングで訪れるのかということを、スマホを使ってシミュレーションできる。
スマホから位置情報と時間を割り出し、カメラを撮りたい方向にかざすことで、AIが自動的に時刻に合わせたサンセットの様子をシミュレーションしてくれる。
カメラマンはシミュレーション結果の撮影時刻をずらしながら、ベストな様子をスマホで確認できるので、最適な時刻をあらかじめ割り出せるというわけだ。
あるいは、フォーカススタッキング機能も優秀なPolarisのシミュレーション機能の一つだ。フォーカスが当たっている部分を後から自由に変更できる能力で、ピントのズレや主題の変更を楽々編集ができる。
あれば嬉しい機能が、Polarisには全て内蔵されているのである。
Polarisは現在Kickstarterで注文を受け付けており、6万円程度の出資でキットを1セット購入できる。もちろん、日本からの購入も可能だ。