指紋認証ロックをお手軽に実現「BrillLock」

指紋認証によるロックシステムは、今やスマートフォンのロックに使われていることもあり、一般的な技術になりつつある。

指紋認証は非常に便利で、一度登録さえしてしまえば鍵やパスワードいらずで、いつでも開錠とロックを切り替える事ができる。鍵を取り出す手間もない上、片手があれば開けられるため、手が塞がっている時でも役立つ機能だ。

ただ、一般的な家庭やオフィスで指紋認証が使用されるケースはまだ多いとは言えない。身近な認証システムとはいえ、ハイテクセンサーによる狂いのない認識が求められるため、安易に装着するにはコストが高すぎたのである。

そんな指紋認証をリーズナブルに、そして少しでも設置しやすいよう開発されたのが「BrillLock」で、誰でも気軽に指紋認証を生活に取り入れることのできる、家庭用スマートロックとなっている。

指紋認証システムをお手軽に導入

指紋認証をはじめ、ハイテクなスマートロック導入にあたっての欠点としては、一つに電源の確保が難しい点にある。

スマホであれば毎日の充電が日課であるためにそこまで意識することはないが、ドアノブなどとなれば本体はもちろん、ドアに電源供給機能は備わっていないため、必要に応じてドアノブに給電を行う必要がある。

指紋認証ロックをお手軽に実現「BrillLock」

もう一つが、取り付けが困難であるという問題だ。ドアノブといえど複雑なロックシステムを導入するとなるとドアを丸ごと取り替えないといけないというケースもあり、気軽に差し替えることは難しい。

あるいは、単純に価格の問題もあるだろう。スマホならまだしも、ドアノブだけに何万もの大金を使うとなれば、余程価値のあるものを守る必要が出てきてしまうだろう。

BrillLockでは、こういった課題を解決しながら指紋認証ロックをお手軽に導入することを実現している。

まず、BrillLockは電子ロックの一つではあるが、一回の充電で3000回の使用、つまり1年間は継続して使う事ができる。

充電が必要なタイミングになるとランプが光り、バッテリー充電の必要性を伝えてくれるので、充電が切れてロックが解除されてしまう心配はない。

そして、BrillLockの取り付けは非常に簡単なことも強みの一つだ。ドアを丸ごと取り替える必要もなければ、必要なのはドライバー一本という必要な道具の少なさも魅力である。

ノブの取り付け口にBrillLockを装着すれば、それで運用の準備は万全だ。力仕事も必要ないので、女性や高齢者など、セキュリティ意識が高く、力が男性ほどない人にとってもありがたい仕様となっている。

肝心の価格についてだが、BrillLockは一台あたり59ドルという価格を実現しているのも驚きだ。普通のドアノブと大差ない値段であるため、どうせ買うならBrillLockという選択肢もあり得るだろう。

銀行クラスの指紋認証システムを採用

指紋認証ロックをお手軽に実現「BrillLock」

BrillLockの指紋認証は、ノブの裏側で行われる。ノブを握るように持てば指紋認証が行われ、照合確認が取れれば開錠される。

照合作業はわずか0.5秒程度で完了するので、ストレスなく毎日の出入りをスムーズに行えるはずだ。

鍵を使った開錠であれば、鍵を取り出して入室後はしまうという動作も必要になってくるので、さらに余計な時間を要することになってしまう。その点指紋認証であればこういった無駄は全てなくなり、鍵を持ち歩く必要もなくなるので、快適に過ごす事ができるだろう。

肝心の指紋認証センサーだが、こちらは誤って指紋の照合を行なってしまう確率が0.001%という、限りなく絶対的な正誤判定機能を備えているため、他人の指紋で開けられてしまう心配はまずない。

銀行で使用されているレベルの暗号化も徹底されているので、不正アクセスによる解読も困難を極めるはずだ。

また、万が一指紋認証が動作しなくなった場合には、緊急用の鍵穴も用意されている。電池切れで鍵が開かなくなってしまった場合には、アナログ方式のキーを使って解錠することも可能だ。

BrillLockは現在Kickstarterで注文を受け付けており、世界各国への発送も受け付けている。2021年1月より順次配送予定だ。