未来テクノロジーを世界規模で調査分析~PEGA、パンデミックのビジネス環境変化

世界の主要企業にデジタルトランスフォーメーションのためのソフトウェアを提供しているPegasystems Inc. の日本法人、ぺガジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:渡辺 宣彦、以下「ペガ」)は、世界的パンデミックによって劇的な変化を遂げたビジネス環境における、未来のテクノロジーの役割に関する世界規模の調査についての分析結果を10月15日に開催されたオンライン会見で発表した。
未来テクノロジーを世界規模で調査分析~PEGA、パンデミックのビジネス環境変化

84%が将来起こりうるパンデミックへの準備は「優先順位が高い」と回答

本調査は、米国とカナダ、英国、フランス、ドイツ、オランダ、シンガポール、香港、中国、日本、オーストラリアの各国において調査会社Savantaが3000人以上のシニアマネージャー層と第一線で活躍するITスタッフを対象に実施されたもの。インテリジェントな自動化が、新しく技術的に有効な、パンデミック後の未来の働き方を定義する上で重要な役割を果たすことが報告されている。

会見に出席したPegasystems最高技術責任者のDon Schuermanは本調査結果より、回答者の圧倒的多数(84%)が将来起こりうるパンデミックまたは同様の混乱への準備に対して「優先順位が高い」と回答したことを報告した。また3分の1(31% )がCOVID-19の影響について「まったく準備していなかった」、または「あまり準備していなかった」と回答していることがわかった。これらの結果から、Schuermanは「インテリジェントな自動化が、将来起こりうる破壊的なイベントに対する将来持続可能な事業にとって、主要なテクノロジーのひとつとして注目されている」と分析する。

未来テクノロジーを世界規模で調査分析~PEGA、パンデミックのビジネス環境変化

実際に回答者の76%は、「パンデミックによりインテリジェントな自動化への投資が増える」と述べる一方で、74%は、「一時的に職場から人々を取り除く結果となるさらなる混乱がよりインテリジェントな自動化およびAIへの投資につながること」に同意し、76%は、「予測不能な大規模の疫病や自己隔離がインテリジェントな自動化に対する需要増加をもたらす」と回答。また、回答者の半数以上(51%)は、「将来のパンデミックによるビジネスへの影響を防ぐため、AIとクラウドソリューションへの投資を増やす」と回答した。Schuermanは「ますますAIへ投資が重要になってくると考えている。テクノロジーに対する期待値が大きく変わるなか、働き方も大きく変わると考える」とまとめる。

未来テクノロジーを世界規模で調査分析~PEGA、パンデミックのビジネス環境変化
追加の調査:COVID-19のデジタル変革への影響

ポストコロナ時代は耐久性の強い働き方のアーキテクチャーを作ることがポイント

また本調査では、テクノロジーが私たちの将来の働き方に大きな影響をもたらすことが報告されている。回答者の86%は、テクノロジーが今後5年間で我々の働き方に「劇的な変化」または「かなりの変化」を生み出すことを予測。また全ての回答者は、「テクノロジーが同期間にわたって変化をもたらすことはない」との問いに対して、明確に否定していることがわかった。そして、76%は「テクノロジーの活用によって従業員の満足度が上がり、幸せなかたちで働くことができる」と考えている。これらの結果からSchuermanは現在、組織が直面している課題は「テクノロジーの分野でビジネスのエキスパートが自動化を進めるためのローコードの進行にある」と考える。将来的にはビジネスのプロセスを全て自動化することによって、人間の労働時間が余るその分をクリエイティブな活動に費やすことができると想定し、「人がAIと連動することによってより便利な自動化が進み、より良い働き方ができる。このようなテクノロジーのメリットを完全享受するためのビジネスアーキテクチャーが必要になるのではないか」と結論づけた。

つまり、ポストコロナ時代は耐久性の強い働き方のアーキテクチャーを作ることがポイントにあり、ビジネスアーキテクチャーの構築は「センターアウト」の思考が必要になるという。その理由についてSchuermanは「ビジネスロジックをフロントエンドに置くと、一貫性のないエクスペリエンスを提供しがち。アジャイルな組織はビジネスロジックを各システムに繋げる構成要素であるべきだからだ」と述べた。さらにインテリジェンスなプロセスオートメーションとケースマネジメントを組み合わせることにより、先端アーキテクチャーを仕上げることができ、クライアントに対して迅速なソリューションをもたらすことができるという考え方も示し、「さまざまな難しい課題を乗り越えるために、日本を含める世界中の組織で我々の商品Pega Infinityを活用すると、そのソリューションが構築することができ、コロナ禍に対応できる耐久性を生み出すことができる」とまとめた。

世界から一歩遅れる日本のAI導入の実態と未来の働き方

会見にはペガジャパン渡辺宣彦代表取締役社長も出席し、「Future of Work~未来の働き方」と題して、調査結果から読み取ることができる日本の実態についても説明を行った。「緊急事態への対応を準備していたか」の質問に対し、「非常に準備ができていた」と回答した日本の企業は8%で、世界で最も低い結果に。唯一の一桁台となってしまった。これについて渡辺社長は「日本は過去10年、甚大な震災自然災害に目を向け、コロナパンデミックのようなビジネスインパクトの体験をしていなかった。理屈上は理解しても、ITの準備が実態として後手にまわっていたことがこの数字に表れた」と分析する。

また意思決定を支援するAIの導入を「広く活用している」と回答した日本の企業は20%と最も低い。人を介さず意思決定を行うAIの導入についても「広く活用している」と回答した日本の企業は17%と最も低く、機械学習の活用やBPMの活用に関する回答からも日本はほとんどの国から一歩遅れている実態がわかった。唯一、導入に向けて動き出し、「BMPを一部で活用し始めている」と回答した日本の企業は48%と最も高い結果であることがわかった。つまりこれは限定領域や試験的な導入は積極的である一方で、「本格利用段階では全社規模ではそうではないというのが実態にある」と渡辺社長は指摘する。

一方、ビジネスプロセス管理分野においては浸透し始めているという。日本においてPegaシステムの導入はこれまで金融業界が中心にあったが、官公庁、自動車、製造流通分野にも広がり、DXを基盤としたプロジェクトを採用し、取り組む組織が増えていることが報告された。最後に渡辺社長は「今後、こうした事例も紹介していき、DXが必要なあらゆる産業に対して提供していきたい」と述べ、会を締めくくった。

「未来の働き方」 混乱と変革についての新しい視点
— 変化を続ける職場でのテクノロジーの役割に関する2020年の調査 —
資料 フリーダウンロード(PDF:3.22MB)