指に装着してジェスチャーでPCを操作「Snowl」
初期のコンピューターはすべての動作をコマンド入力によって実行していたが、次第にマウスとクリック操作でソフトの操作が行えるようになり、スマートフォンに至ってはタッチスクリーンを使っての操作が可能になっている。
コンピューターを扱うための利便性の向上は、ユーザビリティの側面では非常に重要で、まだまだ伸び代がある分野であるとも言える。
そして近年注目が集まっているのが、コンピューターの立体的な操作の実現だ。VRやARという3Dの視覚技術が登場したことで、ユーザー側にも立体的な操作が必要とされ、体を動かしながらのコントロールも実現しつつある。
まだまだ特定の産業やエンターテイメントにおいてのみ活躍しているこれらの技術だが、今回発表された「Snowl」を利用することで、手持ちのスマホやタブレット、そしてラップトップを立体的に操作する事が可能になるかもしれない。
3次元的なマウス操作を可能にするデバイス
日々進化を続けてきたコンピューターの操作だが、決定的に変化してこなかった点として、二次元的な操作の実現だ。
例えマウスやタッチスクリーンで操作ができるようになったとしても、結局は二次元的なx軸とy軸の動きでしかコントロールができないため、奥行きなどを生かした操作はなかなか難しいとされてきたのである。
しかし、Snowlであればそんな立体的な操作も十分可能になるだろう。このデバイスはユーザーが自身の指に装着することによって操作が可能となるシステムで、これまでの操作感に慣れてきた人にとっては、いささかユニークな体験となるだろう。
3つの操作モードを切り替え可能
Snowlには主に3つの操作方法があり、一つ目がエアマウスモードだ。エアマウスモードではユーザーがSnowlを指にはめ、デバイスに取り付けられているボタンをクリックしたり、タップしたり、本体を傾けたりすることでコントロールできる。
これまでのマウスの操作感覚を踏襲しつつも、より感覚的な操作ができるようになっただけでなく、空中で自由に指を使って操作する事ができるため、ディスプレイから離れた位置からでもマウス操作が行える。
リビングのソファから遠くにあるスクリーンをコントロールする時など、多くのシチュエーションで活躍してくれることになりそうだ。
二つ目のジェスチャーモードでは、その名の通り指や手の動きでマウス操作を行う事ができるシステムだ。画面の切り替えやタップ操作など、タッチスクリーン以上に感覚的に行う事ができるので、最低限の挙動でタスクをこなす事ができるだろう。
3Dモデルの編集など、立体的なオブジェクトをPCで扱う際にも、物体の回転などをジェスチャーで行う事ができるようになるため、デザイナーやエンジニアがより感覚的に働くためにも重要なデバイスとなってくれそうだ。
エアマウスモードとジェスチャーモードの切り替えは、わずかな動作で行う事ができるため、すぐに都合の良い操作方法にスイッチすることもできる。使用しているアプリに合わせて、操作方法を切り替えることも、Snowlの有効な使い方の一つである。
三つ目のモードは、クレイドルモードと呼ばれる、上の二つとはまた少し異なる操作性が特徴だ。Snowlをクレイドルと呼ばれるデバイス兼チャージャーに接続し、まるでマウスとジョイスティックを掛け合わせたような感覚で、ラップトップを操作する事ができるようになる。
外出先など、あまり派手な動きを見せたくない場合や、手を地面に置いてラップトップを操作したい時など、様々な場面での活躍が期待できるだろう。
また、クレイドルに装着している間は自動的に充電が行われるため、バッテリー切れを心配する必要もない。Snowlを単体で使用しているときには11時間の連続使用が最大だが、クレイドルに搭載している間は、一ヶ月以上の使用が可能となる。エネルギーを節約しながら運用したいという場合にも、活躍が期待できるだろう。
Snowlは現在Kickstarterで注文を受け付けており、一台あたり99ドルの出資で購入する事ができる。