大切な人へ身の危険が発生したときにサポートしてくれるアプリ「Lifeline」
現代において重要なのは、危険な目に遭わないための取り組みももちろんだが、危険な目に遭遇したとき、どのように対処するかという問題である。
例え危険な状況にあったとしても、テクノロジーが進んだ現代であれば、うまく危機を乗り越えるためのポテンシャルは高いと言える。
自分の身を守ることはもちろん、身の回りの大切な人を守る上でも、テクノロジーの利活用は積極的に進めていきたいものだ。
「Lifeline」はそんな大切な人に迫っている身の危険を、スマートデバイスを使って迅速に周りの人や公共機関に連絡するためのアプリで、安全を相互管理する上で役立つサービスとなりそうだ。
危機に瀕している人を迅速に察知
世界的に平均寿命が延びているのは、一つに医療技術が進み、難病とされる病気の割合が減少傾向にあることが挙げられる。
回復が難しい病気や、高齢者の医療環境は大きく改善され、人生100年時代もすぐそこまで来ていると言える。
ただ、医療技術が向上したからと言って、人間の体そのものが病気に強くなっているとは限らない。
どれだけ治療可能な病気であっても、適切なタイミングで治療を受けることができなければ、瞬く間にその人を死に追いやってしまうものだ。
そして、体に異常をきたしてしまった人が迅速に救急車を呼んで、助けを求めることができれば良いのだが、場合によってはそうもいかないケースも多い。
特に命の危険が関係してくるほどの事例となると、本人が気を失っていたり、電話をかける体力もなくなっていることも多いので、治療が間に合わないことも出てくるのだ。
そういった事態を回避するために誕生したのが、スマホ向けアプリのLifelineだ。
このアプリではユーザーの体調をリアルタイムで管理し、ユーザーが緊急連絡先をいくつか登録しておくことで、何かあった場合に迅速に連絡できるようネットワークを構築してくれる。
Lifelineがユーザーの体調を管理する上で参考にするのが、心拍数だ。Lifelineはスマートウォッチとも連携することができ、そこから得られる心拍数情報を数値化して、健康管理を行ってくれる。
心拍数を四六時中計測し、万が一異常をきたした数値を計測した場合には、迅速に緊急連絡先として登録されていたユーザーへ連絡がいく。
そして、緊急連絡を受けた別のユーザーはアプリを通じてどれくらいの時間で現場へ急行するかを伝えることができる。
その間、家族は救急車などへ連絡し、少しでもユーザーの安全管理に努めることが可能という仕組みだ。
自動的に救急へ連絡するなどの機能も備える
また、万が一ユーザーが気を失ってしまうなどして応答ができなくなってしまった場合、Lifelineは自動的にそれを判断し、救急車などへの連絡もしっかりと行ってくれる。
患者が気を失っている急患であることや、気を失った地点の伝達も自動的に行ってもらうことができるので、安心して対応を任せることが可能だ。
実際のところ、Lifelineのような万が一のライフラインとなってくれるサービスの存在は、現代人にとっては不可欠と言える。
地元を離れ、両親をおいて都会で働いている人などはその典型的な例である。
どれだけ両親の介護や健康に気をつけていたとしても、必ずしも常に彼らのそばにいることはできないものである。
そして毎日を忙しく過ごしていれば、忙しいタイミンングに限って両親の健康状態が悪化し、どうしても仕事場を離れなければいけないというケースも出てきてしまうものだ。
こういったときに活躍したいのが、Lifelineの存在である。忙しい人に変わって、緊急事態に直面している人の健康状態を把握し、必要があれば救急車などを自動的に呼んでくれるサービスは、重要な働きをしてくれることになりそうだ。
まして、これからは社会の高齢化が進み、迅速な助けを必要とする人がますます増えてくることになる。素早く動ける若者の数が減っていく中、Lifelineのようなアプリの役割は大きくなっていくことだろう。
Lifelineは現在Kickstarterで注文を受けて受けており、10ドルの出資で一ヶ月間の利用ができる。