オープンソースで誰でも楽しめるマイクロドローン「ArduBee」
無人飛行で、なおかつ自動操縦が可能な飛行ドローンは、流通やエンターテイメントを中心に、その可能性についても大きな注目を集めている。
ドローンの登場によって、世界の職業のあり方は大きく変わっていくことになるともいわれるほど、このテクノロジーの影響力は大きいのだ。
ただ、ドローンが世界を変えるとは言っても、具体的にどのようにドローンが現代社会に影響をもたらすことになるのかについては、いまひとつ理解できない部分も多い。
これは、多くの人がドローンを見たり触ったりしたことがないために、ドローンの運用イメージが湧いてこないことにも起因するだろう。
そのため、ドローンの可能性を知るためには少しでも多くの人が気軽にドローンに触れることがポイントとなってくるが、「ArduBee」はそのきっかけを提供してくれそうだ。
小型ドローンで誰もがエンジニアを体験可能
現在主流のドローンは基本的にサイズが大きく、一抱えもあるほどのモデルが流通しているケースが目立つ。
大型のドローンはパワフルでスペックにも優れており、汎用性という意味では強いものの、一般人が気軽に購入するものとしてはハードルが高すぎる。
そのため、室内でも屋外でも遊べるような大きさと、最低限のドローンとしての役割を果たしてくれるようなモデルの潜在的な需要は大きい。
ArduBeeはそんな室内外を問わず活躍する小型ドローンで、大きさは手のひらサイズ、重さは100グラム程度と超軽量なのが特徴だ。
大型のドローンは街中で飛ばすと危険で、最悪の場合法律に触れてしまう可能性もあるため、むやみに飛ばすことは難しい。
しかしこれほどにまで小型のドローンであれば、屋外での使用に際しても大きな支障はないほか、室内でも操縦して遊ぶことは十分にできる。
バッテリーはリチウムイオンバッテリーを採用しており、取り付けは簡単な着脱操作で行える。
従来主流だったリポバッテリーは、本体とバッテリーをワイヤーで接続しなければいけないということもあり、どうしても本体がかさばってしまうことが多かった。
ArduBeeはそのサイズを生かすため、このような無駄を一切省力することができるよう、細部まで設計されているのだ。
ArduBeeが飛行するためのプロペラは、2枚のものと3枚のものの二種類が用意されている。
軽量性と頑強さを重視するのであればブレードが2枚のものを、飛行時の安定感を求めるのであれば、ブレードが3枚のものを選ぶことができ、カスタマイズの枠は広い。
小型のドローンとはいえ、このようなプロペラの違いをしっかりと体験できるキットとなっているので、初めてのSTEM教育という場合でも重宝するだろう。
ハード面の機能やオープンソースソフトも魅力的
ArduBeeの操作は無線で行うが、Wi-Fiを駆使したネットワーク操縦は便利な機能の一つだ。
スマートフォンをリモコンに仕立てて、スマホで楽々操縦できるドローンとして扱うのも良い経験になるだろう。
もちろん、昔ながらのRC操縦機能も備えている。完全に別のデバイスとは分離したい時には活用したい機能となっている。
ArduBee本体にはmicroSDを挿入するための挿入口もあり、このスロットにカードを挿入しておくことで、モーターの周波数など、詳細なデータをログとして記録しておくこともできる。
パフォーマンスの良し悪しを試行錯誤しながら確認したいときは、この機能が役に立ってくれるはずだ。
そして肝心のソフトウェアは、オープンソースのArduPilotを使用しているため、無料で自由にカスタマイズすることができる。
オープンソースのソフトということもあり、ArduPilotに関する基本的な情報はすでにインターネットへ多く出回っている。
わからないことがあれば、すぐにこういった情報を参考に、トラブルシューティングを行うこともできるだろう。
コミュニティの活動も豊富なため、もしネットを参考にしてもわからないことがある場合は、気軽に世界中のユーザーへ相談することが可能となっている。
ArduBeeは現在Kickstarterで注文を受け付けており、一台当たり3万円程度の出資で購入することができる。