男性用のメンタルヘルス管理をスマホで「tethr for men」
メンタルヘルスに異常をきたす理由としては、人によって様々だ。そして精神的な体調不良は自他共に目で見てわかるものではないため、自覚がなければ対処は難しい。
時にはその人の命さえも奪ってしまうこともある鬱などの症状であるが、他者とのコミュニケーションによって、この症状はある程度和らげ、回復することもできる。
特に男性のメンタルヘルスの問題は依然として無視される傾向があるが、「tethr for men」はそんな男性のメンタルヘルスの問題を解決する、頼り甲斐のあるサービスとなっている。
男性のメンタルヘルスが問題視される理由
男性の鬱やメンタルヘルスが特に問題視すべきであるのは、男性の自殺者が非常に多いためだ。
米国においては自殺者の過半数が男性で、大いにストレスにさらされているという調査結果がある。
70%の男性が不安やストレスに悩まされており、自殺者の4人中3人は男性であるなど、その因果関係についても研究が進められている。
そして、男性は女性に比べ、自身のメンタルヘルスについて他者とコミュニケーションを取る場が希薄であることも問題である。
元来、女性は男性に比べて他者とコミュニケーションを取ることに長けており、辛いことや困ったことがあればすぐに周囲に助けを求めやすい傾向にある。
一方、男性は自分の精神的な不調について誰かに話したり、医者などへ相談したりする習慣が希薄で、ついつい抱えてしまうという人は少なくない。
日々多くのストレスにさらされているという人はなおさらで、自身の精神的な負担を解消できないまま毎日を過ごし、次第に精神を蝕み、本格的な治療が必要なケースにまで発展する。
そして、こういった事態は身体に現れづらいため、深刻な状態であるにも関わらずその状況を無視してしまい、さらに状態が悪化してしまうのである。
こういった事態を回避するために誕生したのが、tethr for menというスマホ向けのプラットフォームである。
オンラインでコミュニケーションの場を作ることの意味
これはメンタルヘルスに悩む男性向けに誕生したコミュニケーションサービスで、FacebookやGoogleのアカウントと連携してログインすることができ、気軽に利用が可能だ。
アプリにアクセスすると、そこにはメンタルヘルスに何らかの悩みを抱えている男性ユーザーがいるため、気軽にコミュニケーションを取ることができる。
病院や地域で行われている、断酒会などに近いコミュニティがオンラインになったと考えるとわかりやすいだろう。
アプリ上では自由に他のユーザーとコミュニケーションができ、掲示板のスレッドに書き込んでパブリックなコミュニケーションが行える。
もう少しプライベートなコミュニケーションを楽しみたいという場合には、個人でのメッセージのやりとりも行うことができ、外部からの目もシャットアウトされるので、プライバシーにも配慮されている。
他者とのコミュニケーションを通じて、自身のメンタルヘルスについて理解し、精神的な負担を軽減するだけでなく、オープンマインドに日々を生きることも実現するだろう。
目には見えないメンタルヘルスの問題だからこそ、近い症状に悩む人とのコミュニケーションによって、孤独感を和らげることにもつながるのだ。
現在は単なるコミュニケーションアプリとして機能しているtethr for menだが、メンタルヘルスとウェルネスのトレーニング機会を作るサービスも開発中だ。
アプリを通じて自分にあったトレーニングを見つけ出し、心身ともに新しいステップを踏み出すきっかけを作れるようになることで、人生における自分の居場所探しにもつながってくる。
心と体のバランスを追い求めることは、誰であれ健康的な生活を送るためには不可欠の取り組みなのである。
tethr for menは現在kickstarterで出資を募っており、400円程度の出資から受付を実施している。
リターンというよりも、この活動を支援したいという人にとってもありがたい料金プランが採用されているのも特徴だ。