手のひらサイズでSTEM教育が捗る犬型ロボット「Petoi Bittle」
四足歩行モデルは非常に高い汎用性を備えており、安定感と力強さがあり、産業用ロボットとしても期待されている。
ロボット開発の最先端を行くボストンダイナミクスが研究しているのも、この四足歩行タイプのモデルである。
なぜこのタイプのロボットが優れているかについては、実際に触ってみなければわからない部分も多い。
「Petoi Bittle」はそんな四足歩行ロボットを扱いやすい手のひらサイズで実現し、STEM教育への応用へと結びつけてくれる、犬型のロボットとなっている。
四足歩行で自由自在の活躍
Petoi Bittleは世界中で四足歩行ロボットを通じたSTEM教育を浸透させることをミッションに掲げていることもあり、オープンソースでの利用が可能な製品だ。
オープンソースでの運用ができるということは、様々なガジェットを自由に改良し、Petoi Bittleに搭載することが可能ということだ。
四足歩行の安定感とパワーを生かし、何かを運ばせたり、傾斜が急な坂や足場が不安定な場所を踏破させることもできるだろう。
Petoi Bittle本体はArduinoをベースに駆動し、高いポテンシャルを備えている。四足歩行ができる本体は、実際の四足歩行動物を参考にした、質の高い4本足を備えている。
そのため、柔軟性と安定性をしっかりと備え、おもちゃの犬や安物のロボットでは実現し得なかった、実践的な四足歩行ロボットの運用が可能になった。
Petoi Bittleができるのは、歩行や着席などの基本的な動きはもちろんのこと、崖を登ったり、ターゲットを追いかけたり、ロックオンし続けたりといった、高度な機能も含まれている。
あるいは、高所から転落してしまったり、足を滑らせてしまったりした場合も心配はご無用である。
Petoi Bittleは横転してしまった場合でも、自ら体勢を立て直し、再び元の姿勢に戻ることができる。
自ら姿勢を回復させるという振る舞いは、これまでのロボットではなかなか難しいものであったのだが、そんな高度な技術も手軽に実現してしまうのが、Petoi Bittleの利点の1つである。
組み立てやプログラミングも楽々
複雑な動作を実現しているPetoi Bittleだが、実のところ、その組み立てはそこまで難しくないというのも嬉しいところだ。
ボディパーツは全て左右対称で構成されており、どのパーツがどの部分を組み立てるのに必要なのかを瞬時に把握することができる。
本体サイズが手のひらほどの大きさしかないこともあり、組み立てそのものは一から始めても、およそ1時間もあれば十分に完成までたどり着くことができる。
また、パーツの外装は3Dプリンターで生成しているものの、防塵性に優れているだけでなく、耐久力も上々だ。
大人の人間が踏み潰したとしても、本体が損傷してしまうことがないほどの頑強さを備えているので、万が一のアクシデントの際も、容易に故障してしまうことはないだろう。
また、Petoi Bittleの各関節は非常に柔軟な作りとなっており、機動力の源となっているだけあり、ある程度の重量が上にのしかかっても、関節がクッションとなり、その力を和らげてくれる。
まるで本物の四足歩行動物のような柔軟性は、Petoi Bittleの強みと言えるだろう。
Petoi Bittleはハードウェア面でのカスタマイズ性はもちろんだが、ソフトウェアのプログラミングも非常に簡単かつ多様な動きができるよう作られている。
Petoi Bittleのプログラミングはいわゆるブロックタイプのコマンド入力によって行うことができる。
これは子供向けに開発されたコーディングツールで、直接アルファベットや数字を入力しなくとも、あらかじめ用意されているコマンドを積み木のようにつなげていくことで、コーディングが行える。
老若男女を問わずエラーの少ないコーディングが実現するため、プログラミングの本来の楽しさや、自在にロボットが動く様子を楽しむことができるだろう。
Petoi Bittleは現在Kickstarterで注文を受け付けており、一台当たり120ドルの出資で注文が可能だ。