AIによる自律型芝刈り機「Toadi」

庭の手入れは面倒ながらも必要不可欠な家事の一つである。綺麗に手入れされた芝生は美しいのだが、芝もまた生き物であるため、自由に育ってしまうものだ。

綺麗な芝生を維持するためには、芝刈り機を使うなどして常に一定の長さに整えてやる必要がある。

しかしこの作業は屋外労働で非常に手間がかかる上、体力も使うため好んでやる人は少ない。

かといって芝生が自由に伸びていってしまうのを放置してしまうと、庭はたちまち雑草が生えてしまい、景観に影響を与え、害虫などが繁殖してしまう可能性もある。

庭の手入れは広ければ広いほど大変だが、ロボットの力を借りればその手間も大きく削減される。

「Toadi」はそんな庭のお手入れを自動で行ってくれる、芝刈り版「ルンバ」のような存在で、AIによる自動走行で庭中を綺麗にしてくれる。

全自動で芝刈りを行えるAIロボット

Toadiは一見すると非常に小型のロボットで、従来の芝刈り機のような存在感のあるデザインであるとは言えない。

しかし肝心なのはそのパフォーマンスで、電源を入れて庭に放つだけで、あとは自動で庭の芝生をしっかりと刈り取ってくれる。

庭の伸び盛った芝生のみを綺麗に刈り取るための設計として、一つに4Kカメラが本体に備え付けられていることが挙げられる。

Toadiは前方に高画質な4Kカメラを備え、実際の景色を非常に繊細に捉えることが出来る。カメラの性能が高い分に認知機能にも生かされており、これらの情報は内蔵のAIが処理を行う。

4Kカメラを用いることで、Toadiはまるで人間が芝刈りを行うような挙動を可能にしているのである。

例えば、目の前にある障害物の回避である。庭には必ずしも芝生だけが生えているとは限らず、柵や木々、ガーデニング用品など、多くのオブジェクトが存在するものだ。

AIによる自律型芝刈り機「Toadi」

Toadiはカメラによって進行方向にあるオブジェクトを認識し、それらを避けながら芝刈りを続行することが出来る。

いわゆるGPS型の芝刈り機の場合、こういった障害物の検知ができず、ブルドーザーのように障害物をなぎ倒しながらの走行となっていたが、Toadiではその心配もないのだ。

モグラや鳥など、庭に現れる生き物にもToadiは反応することが出来る。予期せぬ挙動を見せるオブジェクトであっても、柔軟に対応できるのがこの芝刈り機の強みの一つである。

また、芝生が生えているエリアとそうでないエリアを区別し、芝刈りを行うことが出来るのも特徴だ。

例えばレンガ造りになっている部分は避けたり、そこを通過する間は芝刈りのブレードを停止させるなど、柔軟な対応が可能になっている。

不用意に地面を傷つけたくないという過程でも、Toadiであればその心配はなさそうだ。

誰でも手軽に運用できるシステムを採用

Toadiの運用方法は非常にシンプルで、庭の隅に専用のステーションを設置し、運用初日に庭のマッピングを行わせる。

どこからどこまで芝刈りを行うのかをここで決定し、Toadi本体に記憶させるというわけだ。

その際、やることはと言えばToadiと一緒に庭を歩くだけである。高性能カメラと独自のマッピング能力により、正確に庭の形状は記憶される。

細かな数値などを入力する必要はないため、コンピューターの操作が苦手という人でも気軽に扱えるのが特徴だ。

芝刈りの際のブレードは、本体下部に設置されている。4枚のブレードはそれぞれチタンでコーティングされており、長期間の使用にも耐えうる優れたパーツとなっている。

AIによる自律型芝刈り機「Toadi」

また、本体の外装は3Dプリンターによって生成され、量産コストを大きく削減することに成功している。

これによってコストダウンを進め、優れた性能を維持しつつ比較的リーズナブルな価格での供給が可能となったのだ。

また、原材料にはコーンスターチが使用されており、プラスチック消費を抑えることで、環境への負担の軽減にも成功している。

それでいて、組み立ては手作業で行われるため、粗悪品が生まれてしまうリスクも非常に小さい。
品質と価格のバランスを維持しながらの流通が実現したのが、Toadiというわけである。

Toadiは現在Kickstarterで注文を受け付けており、一台当たり28万円で購入することが出来る。

家庭だけでなく、公共の施設などでの利用にも最適の一台だ。