リーズナブルに学べる教育用ロボットキット「TL1 SWARM Robotics Kit」

プログラミングやエンジニアリングに関する知識やスキルの必要性は、今後ますます高まっていくと言われている。

特に現在学生時代や幼少期を過ごしている未成年の子供達にとって、これらの技術は仕事を見つける上では必須となりうる。

現在では日本の義務教育の現場でも採用が進んでいるだけでなく、プログラミング教室やキャンプの開催など、公共の場で積極的にエンジニアのスキルを身につけられるよう、環境も整いつつある。

このように、少しでも多くの子供たちがプログラミングを学べるような世の中になるなか、そんな学びの取り組みを支えるためのツール開発も進んでいる。

スイスで誕生した「TL1 SWARM Robotics Kit」は、少しでも多くの人がロボットについて学習できるよう開発され、リーズナブルな価格ながら、エンジニアの基礎を学ぶ上で重要なスキルの習得に役立てることができる。

コストパフォーマンスの高いキットを用意

ロボット開発などの知識やスキルは確かに重要なのだが、ネックとなっているのがそれに必要なコストの問題だ。

今でこそ安価に手に入れられるようにはなってきているものの、基盤やセンサー、カメラやバッテリーなど、ロボットを実際に組み立てるためには、それなりの道具を揃える必要があり、それにはお金がかかるのである。

これが個人の消費であればそこまで問題はならないかもしれないが、学校や民間の教室のように、一度に多くのキットを用意しなければならないとなれば、話は別である。

リーズナブルに学べる教育用ロボットキット「TL1 SWARM Robotics Kit」

数十人分のキットを用意するためには、それなりにまとまった費用が必要となるため、資金が潤沢でない組織にとっては難しい教育となる。

資金が不十分で、子供達に適切な教育ができないとなれば、資金が潤沢な地域の教育レベルは上がり、そうでない地域は低下するという、経済格差による教育格差が進んでしまう。

そのような問題を解消するために誕生したのがTL1で、リーズナブルな価格を実現しつつ、優れた機能を備えている。

Micro:Bitを主軸としたプラットフォームを実現

TL1はイギリスのBBCが主体として構築した、教育向けマイコンボードであるBBC Micro:Bitを基礎とするシステムを採用している。

このシステムが優れているのは、一つに大量生産と教育目的を前提としているため、コストが安価であること。

そして、サポートや情報共有のためのコミュニティが充実しており、インターネットがあれば誰でもいつでも、世界中のユーザーから情報を得ることができる点にある。

たとえ学校でわからないことがあっても、インターネットで調べれば自由に課題を解決でき、それどころか学校では教わっていないようなことも、自分で先へ先へと進めてしまうことができるのだ。

また、Micro:Bitは拡張性の面でも優れているため、多くのパーツを流用して新しいロボットを構築することも可能だ。

古くなったLEDやセンサーなど、新しいパーツを必要としないため、買い替えのコストを削減しながら、組み立てを行うことができる。

何度も同じキットを使用することになるであろう学校などの教育機関においては、優れた利点となってくれるはずだ。

もちろんTL1本体のキットも、木製シャーシやホイール、超音波センサーにバッテリーボックスなど、多くのスターター用パーツに恵まれた構成となっている。

リーズナブルに学べる教育用ロボットキット「TL1 SWARM Robotics Kit」

ここにあるものを使うだけでも、十分に優れたロボットを構築することができるだろう。

Bluetoothによる無線接続も可能となっているので、インターネットを必要としないリモートコントロールも可能だ。

プログラミングは、直接英数字を入力するのではなく、あらかじめテンプレートがブロック状に用意されているタイプのシステムを使って行う。

入力エラーによるデバッグに時間を割かれることもないため、子供にとってはモチベーションを高い状態で維持しやすい環境と言えるだろう。

TL1は現在Kickstarterで注文を受け付けており、一台当たり1万円程度の出資で購入することが可能だ。