手書きの文字をデジタルデータで共有できるスマートペン「SyncPen」

どれだけ人工知能が発達し、優れた情報のインプットとアウトプットのスピードが発達しても、人間の体というのは、そのアップデートに数万年はかかるものだ。

そのため、私たちの身の回りにハイテク機器が増えたとしても、人間が何年もかけて定着させてきた習慣というのは、これからも残り続けるだろう。

例えば、手書きによる文字の読み書きや、図形の描画などはその一例である。どれだけタイピングが早くとも、手書きに勝る汎用性を備えたインプット手段、そしてアウトプットの手段は、他にないものだ。

状況によって手書きであったり、キーボード入力を使い分けることはあっても、完全に手書きを使わなくなってしまうということはないのである。

ただ、手書きがなくならないとは言っても、手書きに伴うデメリットが消えないというわけではない。

それをテクノロジーでカバーするのが課題だが、SyncPenはそんな手書きが抱えてきた課題を、しっかりと解決してくれる可能性のある、次世代スマートペンとなっている。

スマートカメラで筆跡をすべて記録

SyncPenはスマートペンという異名を冠している通り、内部にコンピューターを備え、人工知能による制御が可能になっている機能を有しています。

ペンの内部にはコンピューターに加えてマイクロカメラが備え付けられており、このカメラがリアルタイムでユーザーの筆跡をたどることにより、精度の高い手書き文字のデジタル化を行ってくれるという仕組みだ。

レンズの認識能力は非常に高く、毎秒200フレームという速度で撮影を行っているため、手書きをデジタル化するにあたって、細かな描写までを正確に描ききることが可能になっている。

また、1024段階にも上る筆圧の程度をしっかりと認識できるので、細さや太さ、力強さなども正確に描写可能だ。

デジタル化したデータはSyncPenのアプリへと送信され、アプリ上で保管し、その他のデバイスで出力する際に、そこから開くことが可能だ。

手書きの文字をデジタルデータで共有できるスマートペン「SyncPen」

SyncPenは専用の液晶バッドの上で書いたものをデジタルデータに起こすことができるのはもちろんのこと、通常の紙に書いたものをデジタルデータにすることもできる。

日常的にSyncPenを使用し、液晶パッドがなくても思いついた時にデジタルデータ化を行うという使い方ができるので、何度も同じことを書き直すような無駄のない運用が可能だ。

アプリへと送信されたデータは、専用のクラウドストレージに保管される。

そのため、ハードウェアにデータの負荷をかける心配がなく、常にアプリや他のデータで一杯というデバイスであっても、必要な時だけデータを取り出すことができるのだ。

液晶パッドやその他デバイスとの併用も魅力

Sync Penは紙を無駄にしないためにも、積極的な液晶パッドの使用を推奨している。

液晶パッド上では紙の上と同様に字や図形を描くことができ、仕事が終わればボタンを押して画面を消すだけでリセットされる。

書き込んだ内容は、もちろんSyncPenのカメラによって記録され、クラウド上にデータは保管されるので、後から書いたものをバインダーにまとめたりする手間はなく、ノートやメモ帳を新たに買い足す必要もなくなる。

データの保管はインターネットを介して行われるので、使用の度に同期などを行う必要がないのも、優れた使い勝手を実現している機能の一つである。

メモに書いた内容は、クラウドに保存するだけでなく、直接メールで送信することもできる。

手書きの文字をデジタルデータで共有できるスマートペン「SyncPen」

これまではスケッチや手書きのメモは改めてデジタルデータに書き起こしたり、スキャナーを使って保管する必要があったが、SyncPadを使えば、これらの業務は非常に簡便になるのだ。

SyncPadはスマホなどの他のデバイスと連携して、さらに便利にアプリを使うこともできる。例えばメモを取ったデータへ、iPhoneのマイクを使い、新たに音声データを追加することもできる。

紙に書ききれない情報も、これで追加が可能というわけだ。

SyncPadは現在Kickstarterで注文を受け付けており、一台当たり3,000円程度の出資で購入することができる。