ソフト・ハードの両方でAI学習可能なロボットキット「Make A Robot Kit」

エンジニアリングの技術は、ソフトウェア開発とハードウェア開発では、全く異なる知識が必要になってくる。

一言でロボットとはいっても、ロボットの腕や足を動かす技術と、ロボットが正しく物事を判断するための思考プログラムを組み立てるのでは、大きな差があるのだ。

これらの仕組みをしっかりと理解するために最も効果的なのは、やはり実際に自分で一つのロボットを組み上げてしまうことにある。

ロボットの組み立てからプログラムの構築まで、全てのプロセスを体験してみることで、ロボットの仕組みや、自分がソフト・ハード開発のどちらに優れているのかを、自然と理解することができるのだ。

「Make A Robot Kit」はそんなエンジニアとしての基礎的な技術を育み、自分の得手不得手を見出すのには最適な家庭用キットとなっている。

自動車タイプのAIロボットカー

Make A Robot、通称MARKは、いわゆる自動車タイプの形状をベースとしている。手のひらサイズでありながら、MARKは実に多彩な機能を有しており、プログラム次第で様々な応用を効かせることも可能になりそうだ。

例えば一般的な機能の一つとして、自動走行機能が挙げられる。通常のロボットの場合、たとえ自動車の形状をしていたとしても、基本的にはユーザーによるマニュアル操縦が一般的だ。

しかし、MARKの場合はソフトウェアにAIが搭載されており、自律的な走行を可能にする機能を備えている。

内部にマップを記憶させ、その通りに走行することができるだけでなく、道中に障害物があるときは、しっかりと回避したり、一時停止をして衝突を避けることも可能だ。

ソフト・ハードの両方でAI学習可能なロボットキット「Make A Robot Kit」

そのような柔軟な挙動を可能にしているのが、MARKの前面に取り付けられているカメラである。

MARKは最大150度もの可動域を持つカメラを有しているため、しっかりと自身の前方にあるオブジェクトを捉え、見逃してしまう心配もない。

この機能とMARK本体の機動力を活用することで、単純な走行テストのみならず、様々なアクティビティにも応用することができる。

柔軟な機能と無限のカスタマイズ

たとえば、MARK同士を土俵に上がらせ、衝突させるMARK相撲などは、その典型的な遊び方の一つである。
MARKはお互いにMARKであることを認識することができるため、設定をあらかじめ行っておけば、MARKは自動的に戦い始めることになる。

このように積極的な衝突を促す機能を備えている一方、MARKは精度の高い物体回避能力も備えている。

高精度なカメラセンサーに加え、内蔵の超音波センサーも同時に活躍させることで、MARKは確実にオブジェクトの存在を検知し、形を認識しながら回避行動を取ってくれるのである。

単にカメラでオブジェクトの有無を把握するだけではできない、立体的な判断を、このロボットは下すことができるのである。

また、電磁石機能をオンにすることで、マグネットを用いた簡単なオブジェクトの運搬などもできるようになる。

マグネットステッカーをプレートに貼り付けておけば、それを持ち運ぶという動作もMARKは可能になるのだ。

こういった機能をさらに拡張するため、各パーツはモジュラー式となっており、新たにフレームやカタパルトなどを装着することができる。

目的に応じてプログラムによる機能変更だけでなく、本体のカスタマイズによって、様々な楽しみ方を堪能することができるのだ。

ソフト・ハードの両方でAI学習可能なロボットキット「Make A Robot Kit」

MARKは小学生以上を対象とする初歩的なロボットキットであるため、ソフトウェアのプログラミングも、シンプルなシステムを使用することができる。

コーディングはアルファベットを逐一に入力していくのではなく、あらかじめ用意されたテンプレートを積み木のように並べていくだけで運用することができる仕様となっている。

そのため、入力ミスによるエラーに苦しむことなく、純粋なプログラミングの楽しさと機能性を知りながら、MARKを運用することができるのだ。

Make A Robot Kitは現在Kickstarterで注文を受け付けており、一台当たり130ドルで購入することが可能だ。