パーソナライズされた天気情報をリアルタイムでお届け「TEMPEST」

天気がそこまで重大な問題にならない人にとっても、明日の天気を知ることで傘の準備をしたり、洗濯物の都合を考えたりと、生活の様々なシーンで大きな意味をもたらしてくれるのである。
「TEMPEST」はAIを搭載した天気予報システムだが、ユーザー一人一人が観測装置を自宅に設置することで、公共のどんな気象予測システムよりも正確で素早い天気予測を行ってくれるプロダクトとなっている。

詳細な天気の変化にも対応
現在一般的に使用されている天気予報は、各地域の観測所で観測されたデータをもとに次の日の天気や、一週間の天気の雰囲気などを予測しており、昔に比べると精度はかなりの確率に向上している。
しかしながらこれらの観測所で得られるデータはその地域に限定されたデータであり、例えば東京の北部で雨を観測したからといって、必ずしも東京の南側でも、同じような雨量の雨が降るとは限らない。

雲の動きをその観測所から得られたデータをもとに予測するため、各家庭の人たちにとって的確な情報提供がなされる可能性はそれほど高くないのである。
そのため、天気予報は「今日は晴れる」「今日は雲が分厚い」などの大まかな予報を当てることはできるのだが、どの地域でどれくらいの雨が降り、気温がどれくらいかまでは伝えることはできない。
そこで活躍するのがTEMPESTである。このデバイスは各家庭に直接設置することで機能する気象予測システムで。周囲の環境からデータを集めつつ、よりその過程にパーソナライズされた天気予報を発表してくれるのが特徴だ。
豊富なセンサーでフレキシブルかつ高性能なパフォーマンスを発揮
家庭に設置できるほど小型のデバイスでありながら、そこで取得できる情報の量は実に多様だ。
頭頂部のライトセンサーでは光量や紫外線レベルなどを測定し、ハプティック雨量センサーによって、雨の量を正確に測定する。
中央部には風量センサーが備え付けられており、3秒ごとにその場所の風速を計測し、その微妙な変化を柔軟に測定してくれる。気温や湿度のセンサーももちろん取り付けられており、微妙な変化をリアルタイムで計測が可能だ。
本体下部には雷を検知するセンサーも搭載されており、40キロ先までの落雷をしっかりと観測することができる。雷注意報よりも、さらに正確に雷雨の到着を予測することが可能になるはずだ。
また、TEMPESTは屋外に設置するデバイスとなる一方、電源はソーラーパワーを基本とするため、バッテリーの充電や電源に接続しておく必要はない。情報の送受信もワイヤレスハブによって行われ、そこからWi-Fiを通じて各ユーザーのスマホへとデータが送信される。
一度家の前などに設置しておけば、ずっとそのままにしておける手軽さもTEMPESTのメリットだ。

TEMPESTはいわば現代版の風見鶏とも言えるが、最大の使いどころは一般的な天気予報よりもはるかに生活に密着した予報を的確かつ迅速に得られるという部分だ。
例えば晴れのち雨という天気予報が出ていた場合、何時頃に雨が止むのかによって、洗濯物や買い物のタイミングをはかりたいという人は少なくない。しかしそういった分単位での予報は通常の天気予報で確認することはできないため、やむなく大体の時間感覚で対応していることがほとんどである。
しかしTEMPESTを使うことによって、雨の降るタイミング、止むタイミングは詳細になん分後ということをかなりの精度で予測することができる。
天気の変わりやすい日であったとしても、TEMPEST一台で1日のスケジュールを細かく立て直すことも可能になるだろう。
あるいは植物に水をやるタイミングや頻度なども、TEMPESTがあれば柔軟に対応可能だ。
TEMPESTは現在Kickstarterで注文を受け付けており、一台当たり219ドルで購入が可能だ。