手の上で簡単に扱えるMIDIコントローラー「Orba」

現在主流となっている楽曲制作といえば、MIDIコントローラーを用いた手法である。MIDIコントローラーはPCにインストールされている楽曲制作ソフトを動かすためのハードウェアで、キーボードやドラムセットなど、それらが奏でる音をソフトウェア上に入力するためには欠かせない役割をはたしてくれる。

MIDIキーボードなどの楽器は単体では音を発することはできないため、比較的安価に手に入れることはできるものの、問題となるのが取り回しの悪さである。

楽器として音を発することができないにも関わらず、その大きさは通常のキーボードやシンセサイザー並みのものであったりなど、気軽に楽しむには億劫になってしまうほどの大きさである。

「Orba」はそんなMIDIコントローラーの取り回しの良さを確保するために作られた新しいコントローラーで、手のひらサイズながらも頼もしいパフォーマンスを発揮してくれるプロダクトだ。

MIDIらしくないデザインのOrba

Orbaは一見するとMIDIコントローラーとは程遠い外見をしており、どちらかというとスピーカーに近い形状であるとも言えるようなデザインだ。

しかし実際の機能は楽曲制作に特化したもので、タッチパッドやジャイロスコープ、Bluetooth接続にUSB-C、内蔵スピーカーとヘッドホンジャックなど、多くの機能を小さな個体に丸ごと詰め込んだ仕様になっている。

Orbaを使って演奏できる楽器は多岐にわたる。ドラムやパーカッションといった打楽器はもちろんのこと、ベースを使ったベースライン、シンセサイザーによるメロディーやコードの演奏、あるいはエフェクトの追加まで、あらゆる作業をOrba一台でこなしてしまうことができる。

手の上で簡単に扱えるMIDIコントローラー「Orba」

楽器の切り替えはタッチパッドを用いてワンタッチで簡単に行える。基本操作はこのパッドを使ったものとなるが、Orbaはタップ以外にも多くの刺激を認識することができ、それらを使って、通常のMIDIコントローラーでは実現できなかったような表現も可能となっている。

使い勝手はまさに次世代のMIDIコントローラー

Orbaはワンハンドで握れてしまうほどのコンパクト性を持っているが、その小さな形状を生かして握りながら降ってみたり、空中で円を描くような動きをすることで、独特のエフェクトを加えることができる。

例えば表面のパッドをタップすれば、まるでパーカッションを打つような音を奏で、キーボードを打鍵するような通常の演奏が行えるのだが、それに加えて長押しをすれば長い音が表現され、Orba本体をシェイクしながら演奏すれば、震えるようなビブラートの表現が可能になる。

あるいは放射状の軌道で動かすことによって、スピード感のある演奏を行うことができたり、タッチパッドをなぞるように動かせば滑らかな音も出すことができる。ジャイロスコープや振動センサーを内蔵しているため、生の楽器にもこれまでになかったような立体感のある表現ができるようになっているのだ。

手の上で簡単に扱えるMIDIコントローラー「Orba」

表面のタッチパッドは最大で8本の指まで同時に認識することができるので、音数が足りずに表現に漏れが生まれてしまう心配はない。センターに設置されているボタンを押せば、機能をデフォルトに戻すなどの柔軟な操作が可能になるし、内蔵済みのスピーカーから出力すれば、Orba本体がそのままシンセサイザーとして活躍できるようにもなる。

OrbaはBluetooth接続でMIDI機能を使用することができるため、PCなどと直接ケーブルで接続する必要はない。そのため、Orbaを激しく振り回しながら演奏を行うという場合でも、ケーブルが演奏の邪魔になってしまうこともないはずだ。

もちろんUSB-Cでの有線接続も行うことができるので、ケーブルならではの信頼性を確保しておきたい場合は、こちらの設定でOrbaを活用することが可能だ。

バッテリーチャージもUSB接続で行うので、どこに持ち歩くにも充電に困ってしまう心配もないだろう。

Orbaは現在Kickstarterで注文を受け付けており、一台当たり89ドル以上の出資で本体を購入することができる。