AIで趣味を把握してくれるミュージックアナリティクスデバイス「Kai」

同様に、自分でどのような音楽ジャンルが好きなのかを把握できている人もいれば、自分がどんな音楽が好きなのかよくわからず、人に音楽の趣味を説明するときなどに苦慮してしまうということも少なくない。
最近ではSpotifyやApple Musicといったストリーミングサービスを使うと、誰でも気軽にアナリティクスを利用し、その人の趣味に応じた音楽をピックアップしてくれる機能を有しているが、それがどのような基準で選ばれているかは明確にはわからない。
しかし、ミュージックアナリティクス専用のAIである「Kai」を使えば、これまでに培ってきた自分の音楽の趣味を、しっかりと理解することもできるようになるだろう。

詳細な視聴動向のアナリティクス
Kaiはスマホ専用のアプリケーションと、実際にオーディオプレイヤーに接続するハードウェアの両方をセッティングすることで利用できるようになる。
イーサネット接続でワイヤレスルーターとKaiを接続し、そこからステレオやヘッドホンに音楽を送信するという、1つのハブとしての役割を果たしてくれる。
視聴できる音楽は多岐にわたり、スマホに保存しているものはもちろんのこと、上記に挙げたストリーミングサービスを普段通り利用することもできる。
新しくアナリティクスを導入するとはいえ、普段の使い心地から変わらない点は嬉しいところだ。

そしてKaiはスマホから現在視聴している音楽を分析し、その楽曲のジャンルやテンポ、周波数、ボリュームといったあらゆる情報を細かく分解してしまうことで、データベースへと蓄積していく。
この蓄積していくデータから、ユーザーの好みやその傾向を割り出していくという仕組みだ。
データが蓄積していくと、自分の音楽の好みについて様々な事実が浮かび上がってくる。一定期間の間に最も視聴した楽曲やアーティストの名前、自分が特に好んで聴いている楽曲の店舗や周波数、音量、ジャンルなど、ありとあらゆる情報が、実際の自分の視聴経験をもとに割り出されるのである。
視覚的にも楽しめる仕組みが盛りだくさん
これらは単なる数字として記録されるだけでなく、グラフとしてわかりやすくビジュアライズしてくれる点も特徴となっている。
最も自分が聴いている音楽ジャンルだけでなく、2番目や3番目もグラフで確認することができるので、どれくらいのバランスで自分は音楽を楽しんでいるのかについてをより深く理解することも可能になるというわけだ。
もちろんBPMなどについてもグラフで比較することができるため、同様に自分の意図しなかったバランス感覚を客観的に把握することが可能だ。

また、BPMや音楽ジャンルを自ら把握することができるだけあり、Kai本体となるハードウェアの方も、LEDライトでしっかりと存在感をアピールしてくれる。
テンポや曲調に合わせたライトアップ機能や、曲調に応じて点灯するライトの色も変わってくるため、しっかりと雰囲気に合わせて柔軟な反応を示してくれる。
例えば穏やかな曲であればブルーのライト、ダンス系のアップテンポな音楽であればレッドのライトと、その色の変化を楽しむのもKaiの醍醐味の1つと言えるだろう。
また、Appleの販売するHome Kitとも連携しているので、Kaiだけでなくそのほかの対応ライトなどと合わせて使用すれば、より華やかになることは間違いない。
プラグアンドプレイですぐに使用することができるので、セッティングも簡単だ。
単なるハードウェアとしてだけでなく、1つのインテリアとしてKaiをセットすることも可能になるだろう。
とはいえ、Kai本体の大きさは小さく、全長10センチほどの小さなハードウェアとなっている。ちょっとしたテーブルやオーディオセットの隙間に設置することも容易なため、空きスペースを埋めてしまう心配はないはずだ。
Kaiは現在Kickstarterで注文を受け付けており、一台当たり179ドルで購入することが可能だ。