熱帯雨林の自然環境を自宅で再現「InSitu Ecosystems」

家庭菜園や植物の育成は国内外に愛好家の多い趣味の1つである。 植木鉢1つで満足する人もいれば、もはやプロの農家と変わらないほどの規模で育成や収穫を楽しむ人もいるほど、そのスケールや育成する植物の種類は多様なものだ。 だが植物は生き物であるため、正しい生育環境を提供しなければ、理想とするような育成が行えないばかりか、植物を枯らしてしまうこともある。

「InSitu Ecosystems」はどんな気候の地域でも熱帯雨林の環境を再現できるよう特化した、専用のボックス型エコシステムを提供してくれる。

どんな気候の地域でも熱帯雨林の環境を再現できるよう特化した、専用のボックス型エコシステム

南国の環境を家庭で再現

熱帯雨林の環境に興味を持つ愛好家は昔から少なくなく、どうにかして本物のような南国の世界観を、家庭に持ち込もうとする工夫があちこちで見られた。

南国の環境構築のために行われた取り組みは、まさに十人十色であり、これといったセオリーは存在しなかった。各々で手に入れやすいガジェットを活用しながら環境が整備されていったため、その工夫が時として愛好家の個性や美学を垣間見せることもあったのだが、逆をいえば南国をモチーフにしたプランターなどが存在しなかったことに起因する問題でもあった。

簡便に環境を整えることができないことは魅力につながるかもしれないが、一方で愛好家の負担となってしまったり、新しく趣味を始めたいという人にとってはハードルになってしまうこともある。ワンセットですぐに整えられるキットがあれば多くの人にとってより受け入れられやすくなるのだが、InSitu Ecosystemsはそれを可能にしてくれる生育キットとなりそうだ。

ワンセットですぐに整えられるキット

InSitu Ecosystemsはプラスティックケースが本体となるキットだが、この部分はサーモプラスティックとなっており、非常に高い剛性を誇っている。高い耐久性と安全性に定評のあるおもちゃである、レゴブロックと同じ素材を用いて作られているため、簡単に破損してしまう心配はないだろう。

充実の設備

底面はやや傾斜の効いたスロープ構造になっており、水辺と地上の境目の環境を容易に構築することができる。南国や熱帯雨林といえば水分の存在が不可欠だが、この土台を使えば簡単に再現することができるだろう。

また、表面が黒色で覆われているのは、光を反射せずに吸収させるためでもある。反射を防ぐことで光が鑑賞の際の妨げとならず、より多くの視界を確保することで生育環境に立体感をもたらすことができるためだ。

単なる水源だけでなく、南国を再現するには空気中の水分も十分に確保しなければならない。InSitu Ecosystemsには3つのミスト放出口が備え付けられており、十分な水分を常に空気中へ行きわたらせることが可能だ。

自然環境をしっかりと維持するために重要になるのが、空気のサーキュレーションシステムだ。うまく空気が循環できるよう設計しなければ空気は汚れ、中の生物が窒息してしまう危険性もある。

吸排気口

そのため空気システムは数ある設備の中で最も予算を投じる部分であるのだが、InSitu Ecosystemsは初めから高品質のシステムを搭載している。吸排気口は2角に取り付けられており、1分間に3回もの空気の入れ替えを可能にするほどパワフルなものとなっている。

換気が不十分であればケースの中の汚れや病気の原因になってしまうため、しっかりと換気が行えるのは嬉しいポイントだ。

また、排気口にはきちんとスクリーンが貼られており、カエルなどを内部で飼育する際、排気口から外へ出て行ってしまうというアクシデントも防ぐことができる。安いものだと網目などが貼られておらず、そこから生き物が脱出してしまうということもよくあるため、欠かせない仕様であると言えるだろう。

天井部分にはLED照明が装備されており、内部に十分な光を与えてくれる。光量不足で悪影響が出てしまう心配もないだろう。

InSitu Ecosystemsは一台当たり365ドルでの販売を予定しているが、現在はアメリカ国内への販売に限定されている。日本へのリリースにはもう少し時間がかかりそうだ。