お手軽高機能なDIYロボット「Vigibot」

ロボットは学校や家を問わず日常的に見かけることも珍しくなくなったテクノロジーの産物だが、同時に自分で作る分にもそのハードルは大きく下がったと言えるだろう。

ラジコンとは違い、ロボットはハードウェアを組み立てた上で、さらに内部のソフトウェアもプログラミングしなければいけないため、完成までに必要な行程は複雑になってしまいがちだ。しかしその分クオリティの高いプロジェクトの完成も期待することができるので、作りがいのあるDIYであることは間違いない。

「Vigibot」もまたDIYで組み立てられるロボットの1つだが、複雑なインストールなどを介さずに、気軽に扱うことができるプロダクトとなっている。

Webを通じたロボット操作

Vigibotの最も特徴的な点としては、Webページを通じてロボットをコントロールできる点にある。

従来のロボットの場合、コントロールは直接リモコンを無線・有線で接続して行う必要があった。今でもこの方法が主流ではあるものの、一方でロボット1つずつにリモコンを接続することは非常に手間のかかる作業である点も見逃せない。

プログラムを一から作り上げてロボットに組み込むのはもちろんだが、近年のスタンダードとなっている、ソフトウェアを一度自分のPCにインストールしてから組み上げるのも、時間を要するプロセスであることは間違いない。

一方Vigibotの場合、公式サイトへ行けばすでに完成したリモコンにブラウザ上で触れることができ、そこからロボットを動かすことができる。つまり、クラウドリモートコントローラーのような形式で、インターネット環境さえあれば簡単にロボットを操作することが可能になってしまうというわけだ。

ブラウザでリモコンは動作するので、いちいちソフトをPCにダウンロードする必要はない。この機能はすでにインターネット上に公開されており、プリセットで用意されているロボットをここから操作することが可能だ。

https://www.vigibot.com/

操作には会員登録が必要だが、簡単な個人情報を登録するだけで、世界中からアクセスすることができる。

操作も単なる移動にとどまらず、様々な操縦が可能になっている。カメラの視点移動やクレーンアームでつかむなど、コントローラーパネルが非常に柔軟に作られているため、複雑な操作もワンタッチで行うことができる。

ロボットはここの操作設定をしっかりと行うのが難しいポイントでもあるが、お試しレベルであればサイトにあるもので十分に挙動を確認することができるだろう。

遅延もなく快適な動作を実現

また、インターネット回線を介したロボットの操作は、反応速度にラグが存在するのではないかという懸念もある。優先やBluetoothなどを使った短距離無線の方が、ラグやアクシデントの可能性も少なく、信頼性に優れているのではないかという話だ。

Vigibotはその点については大きな改善が行われており、多少のラグはあるものの、実際の挙動は通常のロボット操作と大差ない程度の反応速度に収まっている。オンラインを介した操作とはいえ、正確かつ速い速度で動いてくれるのは大きな特徴だ。

反応速度に遅れがあると、速度が出ている際の急ブレーキや、ものをつかんだり下ろしたりするといった複雑な動作を正常に行えなくなってしまうという懸念もあるものだが、Vigibotであればそのような心配も杞憂に終わることだろう。

この機能を応用すれば、Wi-FI環境さえ整っていればどこからでもロボットを操作できるということになる。家の外からでも自由にロボットを操作できるので、セキュリティ対策や留守中のペットの相手などにも活躍してくれるはずだ。

バッテリーの充電はマグネットの充電アダプタで行うことができるので、スマホのように力を込めてアダプタを本体に接続する必要もない。リモコン操作で充電アダプタの近くへ行けば、自動で吸い付いての給電が可能になっているのだ。

Vigibotは現在Kickstarterで注文を受け付けており、166ドルの出資でスターターキットを購入することが可能だ。