迅速な出動と消火活動が可能な消防ドローン「DRONE FIREFIGHTER」
火事はそこに住む人や物を燃やしてしまうことから恐れられている災害だが、警戒しなければいけないのは消火活動にあたる人々も同様である。消防士など、火の手が上がっているところにわざわざ近づくだけでなく、時として火の中に飛び込んだり、火の根元から消火にあたるためにかなり接近しなければならないこともある。
そのため、国内外を問わず消防士が消火活動中に命を落としてしまうことも多く、そういった人的被害を少しでも減らすために、装備の拡充や研究が進められている。
「DRONE FIREFIGHTER」もそのような消防士の活動や、消火活動に詳しくない一般人を、無人で支援してくれる消防ドローンで、迅速で効率的な消火活動を促してくれる。
初動が大きな意味を持つ消火活動
そもそも、火の手が上がる場所は基本的に消防士のようなエキスパートが存在しないことがほとんどで、彼らが到着する頃にはかなり炎が激しくなっているケースがほとんどだ。
また、当たり前であるが火はできる限り小さいうちから消化できてしまうのが最も喜ばしいものだ。しかし火事は一度発生してしまうと、その想像以上の火の手の回る早さに一般人はパニックになってしまい、初動で正しい消火活動にあたれないことがほとんどだ。
気持ちが落ち着いた頃にはすでに個人では消火できないほど燃え広がっており、結局消防士が消火にあたることになるケースが多い。こういった事例を少しでも減らしていくことがでいれば、消防士にとってリスクの小さな消火ができるだけでなく、家事による被害も最小限に抑えることができるのである。
そこで開発されたのが、無人で消火活動が行える消防ドローンである。ドローンは遠隔操作で自由に飛行させることができるだけでなく、最近では装備品を搭載し、それを飛行中に使用するといったことも可能になりつつある。DRONE FIREFIGHTERはその名の通り本体に消火用の薬品を装備し、上空から散布することを可能にしたドローンになっている。
安全地帯から確実に消火
ドローンが優れている点として、安全地帯から危険な活動に従事することができるということが挙げられるだろう。ドローンは信号が届く範囲であれば遠隔操作でいくらでも飛行させることができ、危険な場所にも躊躇なく踏み込むことができる。
火元はたいていの場合激しく燃え盛り、生身の人間が踏み込むことが不可能な状況になっていることがほとんどだ。防火服をしっかりと着込んでいる消防士でも、完全に火を防ぐことは不可能なだけでなく、火が予想以上に激しくなると生きてそこを離れることも難しくなってしまう。不安定な環境で状況が変化しやすいため、そこへ飛び込むことは大きなリスクが伴うのだ。
ところがDRONE FIREFIGHTERであれば、上空から火元へと近づき、簡単かつピンポイントに消化薬を散布することができる。消化器などに含まれている薬品は、通常1.5メートルほど近づかなければ効果を発揮することはできず、これは火が大きくなるととても近づける距離ではない。
DRONE FIREFIGHTERはいとも簡単に火元へ近づくことができ、落ち着いた対処も可能なので、迅速かつ効果的な消火活動を行えるだろう。
ただ、大きさとしては人間の上半身ほどのサイズがあるドローンであるため、化学工場や農園、食品工場など、大きな敷地面積を有する場所での活躍が期待できる。家庭用ではないかもしれないが、こういった産業関係の建物は化学物質や引火性の物品が多く保管されていることも多いため、DRONE FIREFIGHTERを活用すれば大爆発のようなケースも防ぐことができるだろう。
DRONE FIREFIGHTERは現在Kickstarterで出資者を募集しており、890ドルほどの出資で一台購入することが可能だ。