小型サイズの産業用アームロボット「Mirobot」
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ロボットアームはプログラムをきちんと行えば、自在にそのアームを動かして物を運んだりといった精密な動きをさせることが出来るので、シンプルながら利便性の高い技術である。
そして自動車工場のように、正確な動作で動くロボットアームが複数台あれば、一台のアームでは組み立てられないような大きなものも瞬く間に組み立ててしまうことが出来る。そんな大きな可能性を持ったロボットアームだが、「Mirobot」はそんなロボットアームを家庭でも使えるように小型化しつつも、第一線の産業用ロボットと同等のクオリティも有する優れたロボットとなっている。
産業用ロボットを家庭用に
産業用ロボットは、家庭用の工作ロボットとは違い実践的な性能が求められるため、その大きさは巨大で、価格が高く、中身も複雑というのが一般的なモデルだ。ただ、それだけに産業用ロボットは無類のパフォーマンスを発揮してくれるのだが、それを家で使用するのにはやや持て余してしまうようなスペックであることがほとんどだ。
このような課題を解決するために誕生したのがMirobotで、手のひらの上にに本体を載せられるほどのサイズまで最小化している。学校や職場まで、アマチュアからプロまで使うことのできる代物だ。
ロボットアームとはいえ、機械を自ら組み立てるのにはそれなりの知識と慣れが必要となる。しかしそれでも、本体サイズが小型であることは一人の工作にも十分に対応できるほどシンプルに作られていることの裏返しでもある。
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欲しいと思った時にすぐ購入できて、自分で組み立ててしまうことができるのは嬉しいポイントだ。
Mirobotの特徴の1つは関節部分が6つも備えられている。関節は単なる骨と違い、骨と骨の継ぎ目でもあるため、その柔軟性によって実際にできることの幅の広さは大きく広がってると言えるだろう。人間のような繊細な動きも、Mirobotであれば十分に可能だ。
パフォーマンスも産業ロボ並み
また、挙動の誤差の小ささもMirobotの魅力である。人間と同様、ハードウェアの機械もわずかとはいえ誤差は存在する。ロボットは誤差が小さいことが魅力の1つであるが、Mirobotは最新のロボット制御技術を採用しているため、その誤差はわずか0.2ミリに保たれている。
この数値はあくまでも誤差が生じたときの最大値でもあるため、実際の体感としては至極慎重かつ高速で仕事を処理することが出来るはずだ。
関節部分は毎秒110度まで移動することが出来るスピードも備えている。産業用ロボットは高速で組み上げなどを行なっていく必要があるが、Mirobotであれば家庭用でありながらストレスフリーな動きを見せてくれる。
Mirobotの中身はオープンソースとなっているため、本体はユーザーが好きなように改良を加えることもできる。基本的な機能に飽きてしまった時はこちらを使って遊ぶと良いだろう。開発者が思いもしなかった使い方を、自らの手で見つけ出すこともできる。
また、Mirobotを操作するのに専用のリモートコントローラーもある。リモコンを使えばそのための設定やコーディングを行う必要がないため、初心者や小さい子連れの家族など、ビギナー層や小さい子のいるファミリー層など、カジュアルにロボティクスに触れてみたいという人たちには最適のモードだ。
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リモコンだけでなく、Mirobotは専用のスマホアプリからもコントロールすることができる。こちらもコーディングする必要がない上、普段から使い慣れているスマホで操作が可能になるため、わざわざリモコンを取り出す必要はなくなる。
そしてMirobotを制御し、動きをコントロールするためのソフトであるMirobot Studioをフル活用して、好きなようにロボットに機能や挙動を付与することが可能になる。こちらはもうじき公開される公式サイトから利用が可能だ。
Mirobotは現在Kickstarterで注文を受け付けており、一台当たり335ドルで購入することができる。こちらはスターターキットとなっており、家に届けばすぐ利用ができるようになっている。