クラウドストレージをポケットサイズのデバイスで一括管理「filePod」
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Drop BoxやAmazon Drive、Google Driveなど、様々な会社から独自のサービスが提供されており、ビジネスプランを選べばおおよそストレージには困らないほか、個人の利用であれば無料のプランでも十二分の活躍が期待できる。
ただ、用途に応じて複数のストレージサービスを使い分けていると、アカウントやアプリを切り替えたり、ファイルの移動が億劫になるなど、使い勝手が半減してしまうこともある。
また、PCやタブレット、スマートフォンと、クラウドサービスを利用するデバイスごとの違いもあり、どのサービスで何のデータを管理していたかがわからなくなってしまうことも珍しくない。
できる限りクラウドストレージのメリットを失わずに運用したいものだが、「filePod」はそんな複数のクラウドサービスの管理を効率的に行う手助けをしてくれるストレージマネジメントサービスとなっている。
クラウドストレージを一括管理
filePodは、いわば一回のログインで、複数の異なるクラウドストレージサービスを一括して管理することを可能にしてくれるサービスだ。filePod内で各クラウドをマネジメントし、サービス内で自由にかつ高速でデータをやりとりすることができる。必要とあれば、オフラインにデータを転送することも可能だ。
オフライン環境でも、オンラインに接続された状態のクラウドサービスとほぼ同様の操作が行える。移動したデータやアップロードしたデータは、オンラインに再接続された時点で自動的に同期され、もう一度同じ作業を行う必要はない。
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filePodはソフトウェアだけでなく、実際のハードウェアをPCなどに接続して使用する。filePod本体はクラウドサービスではなく、ハードに依存した設計となっているため、そのメリットを存分に生かすことができる。
filePodはUSB接続によって、優先でPCと接続できるだけでなく、WI-Fiによってワイヤレスでの通信も可能となっている。ケーブルがあれば安定した運用が可能だが、仮に忘れた場合や作業スペースを整理したい場合はワイヤレスでの運用も効果的である。
対応デバイスのOSは、基本的には選ばない仕様となっている。Mac OSやWindowsはもちろんのこと、LinuxやAndroid、iOSにも対応しているので、スマートフォンからの接続も行える。
高いセキュリティレベル
また、セキュリティに関してもfilePodは非常に高いレベルのプロテクションを構築している。filePod上で使用する各クラウドサービスには、filePodのパスワード情報は記録されず、オンラインを通じて第三者に知られるリスクは皆無に等しい。
また、データプロテクションは暗号化によって行われているため、内部の情報はオンラインに接続されるたびに異なるコードで暗号化される。クラウドへのアクセスもHTTPSで行われるので、情報漏洩の心配はないだろう。
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複数アカウントの一括管理は、セキュリティ上の問題が発生しやすいシステムでもあるが、filePodに関してはそのリスクは最小限度に抑えられている。
また、filePod本体にはSDカードスロットも内蔵されているので、SDカードがあればfilePodに直接データを保存しておくこともできる。最大で2TBまで対応しているので、ハンディサイズの大容量物理ストレージとしても運用が可能だ。
本体は連続20時間までの使用ができる。内部にリチウムバッテリーを内蔵しており、USB接続によって自動的に充電が行われる仕組みだ。
filePodは現在Kickstarterで注文を受け付けており、95ドルの出資で本体を一台購入することができる。
価格に応じて対応するクラウドサービスも増えていき、95ドルのモデルはDropboxのみの対応だが、125ドルのモデルはDropboxにGoogle Drive、BoxにOnedriveと、主要なサービスは全てフル活用することが可能になる。