体に不自由を患う人向けの次世代車椅子「WheelCare2」

先天的、後天的を問わず足が不自由な人は、いつの時代も健常者と共生してきた。そして彼らの生活を支える車椅子の歴史も長く、古くは紀元前3000年の古代エジプトや、中国における三国時代においても使用された形跡が見られるなど、車輪が誕生した時からずっと五体不満足の人たちや老人・病人の移動に使用され続けてきたのである。

だが、そんな車椅子も時代とともに改良が加えられて生き、今では車椅子利用者が自ら椅子を運転して移動できるだけでなく、力を使わずともコントローラーを操作することで運転が可能になったモデルも存在する。

「WheelCare2」はそんな電動車椅子の最新モデルで、車椅子利用者はもちろんのこと、彼らをケアする介護士にとっても使い勝手の良いプロダクトとなっている。

軽量かつ耐久性に優れた車椅子

WheelCare2はまず本体が軽量かつ高い剛性を備えている点が大きい。航空機用アルミ金属を使用したフレームは軽量であるだけでなく、136キロまでの重量にも耐えられるほどの強度を誇っている。

人を乗せて移動する器具である以上、時として思わぬ負荷が車椅子にかかってしまうことも少なくない。WheelCare2は通常使用で想定されるよりもはるかに大きな負荷がかかった場合でも、車椅子本体が壊れてしまうのを防いでくれるのだ。

またWheelCare2は丈夫なだけでなく、未使用時には折りたたんでの保管や運搬が可能となっている。車での移動の際などは自動車のシートに着席することもあるため、狭いところでも積み込めてしまうモビリティはこの製品のメリットの1つだ。

体に不自由を患う人向けの次世代車椅子「WheelCare2」

WheelCare2は電動の車椅子となるが、搭載しているバッテリーはリチウムイオンバッテリーで、2時間の充電によって最大15kmの走行が可能となっている。長距離を車椅子で移動する場合でも電動で楽々移動ができるだけでなく、体に負担をかけることはない。

電動による操縦の運転のほか、場合に応じてマニュアル操作で運転することもできる。万が一バッテリーが切れてしまった際も、遠くに取り残されてしまう心配はない。電動からマニュアルへの切り替えは安全に行うことが可能だ。

ハンドル操作はお年寄りのように力が弱い人にも操縦できるよう感度は非常に高く、誤った操作を行ってしまうリスクも小さい。シートのクッション部分は簡単に取り外しができ、クリーニングもお手軽だ。

位置情報サービスも充実

また車椅子本体にBluetooth機能を搭載し、WheelCare2リアルタイムでどこにあるのかを把握できる位置情報トラッキングシステムも搭載している。時折お年寄りなどの場合は出かけている最中に行方不明になってしまうことがあれば、そうでなくとも何かしらのアクシデントに巻き込まれてしまうリスクは決して小さくない。

WheelCare2はそんな事態も想定したデザインとなっており、2つの機能によって発見の遅れを未然に防いでくれる。1つはあらかじめ設定した地域外へ行ってしまった際に、介護士や家族のもとへ自動的に通知が行くというものだ。

体に不自由を患う人向けの次世代車椅子「WheelCare2」

普段の生活圏を設定しておけば、理由もなく市の外へ出て行き、発見が困難になってしまうのを防いでくれる。

2つ目にリアルタイムでの位置情報把握で、これは毎日使う必要はないかもしれないが、例えば旅行先やいつもとは違う場所へ訪れた際に活躍が期待できる。

この設定はスマートフォン用アプリをダウンロードするだけで簡単に行うことができるため、誰でも気軽に利用することができるはずだ。アプリでは詳細設定を自由に変更することができ、何メートル以降離れた際にスマホへ通知を届けるかなどの設定や、通知の際にアラート音を発するかどうかなど、多岐にわたる。もちろんアプリを常時起動しておかずとも機能するため、安心して運用できるだろう。

BluetoothだけでなくGPSとも連携しているため、目に見えないほど遠くへ行ってしまった場合でも心配ない。逆にBluetoothは半径10メートル程度の短距離での位置情報取得に役立つため、これらの機能を必要に応じて使い分けると有効だ。

WheelCare2は現在Kickstarterで出資者を募集している。現在は本体のプロトタイプ、およびアプリケーションが完成しているため、あとは必要に応じた修正と生産を行うのみという段階だ。

WheelCare2は一台当たり20万円程度の出資で購入することができる。時として中古車が買えるほどの価格のモデルもあるものだが、こちらは比較的標準的な値段と言えるだろう。

日本への発送も対応しているので、国内からの注文も可能だ。