AR技術を20倍の速度で導入しよう。「SimplifyXR」
また単なるヴィジュアルエンターテイメントとしてだけではなく、ARは実際のマーケティングやプロモーションの現場においても徐々に新しいツールとして普及が始まっており、実用的なニーズも高まりを見せている。立体的かつ視覚的な印象を与えるのにうってつけのこの技術は、今後数年以内にますます大きな需要を生み出すことになるだろう。
ただその一方で問題視されているのが、AR人材の不足である。いくらテクノロジーへの需要があったとしても、提供するためのプログラマーやデザイナーが足りていなければ、どれだけ予算を投じてもスムーズにプロジェクトを進行させることは難しい。
「SimplifyXR」はそんなAR人材の不足を解決するべく誕生したプロダクトで、従来の20倍の速度でARコンテンツの制作を進められるという仕事効率化が魅力となっている。
AR導入をはるかに早いスピードで実現
これまでARや資格技術のスキルを養うためには数年の時間を要していたため、即戦力を用意するためには専門のスキルを持ったエンジニアを雇うか依頼するなどして対応する必要があった。
ただ、新たに人員を調達するのは予算がかさんでしまい、新規プロジェクトとして気軽に始めるにはリスクが大きすぎてしまう点がネックとなる。かといって社員やメンバーが新たにスキルを身につけるためには時間がかかりすぎてしまうため、よほど気の長いプロジェクトでなければ実現は難しいだろう。
そこで活用したいのがSimplifyXRの存在で、これは非プログラマーの人間でも気軽にAR開発を行えるようになるのが特徴だ。もちろんすでにAR開発に親しんだエンジニアでも運用することで大きな成果を得られるが、これまでコーディングなど経験したことがないという人でも開発に携われるようになるのは大きなコストパフォーマンスの向上である。
アメリカ海軍で使用したソフトを改良して実現
SimplifyXRの開発チームは当初、アメリカ海軍のエンジニア向けのトレーニングソフト開発を任されていた。航空機の修理やメンテナンスを一挙にかつ短時間で訓練できるソフトウェアを海軍は必要としており、即戦力となるような人材育成につながるものを望んでいたのだった。
その上で大いに役立ったのがARで、小型デバイスから大型の航空機まで、あらゆるオブジェクトを仮想空間に表示させるこの技術は、エンジニアのトレーニングを実戦さながらに行えるだけでなく、すべて仮想空間で完結するため、場所の確保は容易な上に騒音や公害の問題も発生しない。
SimplifyXRはそういったエンジニアのトレーニング用ソフトを改良して生まれたツールで、大型機器のトレーニングだけでなく、その他のあらゆるニーズに応じて開発が行えるようアップデートされている。
ホロレンズやiOS・Androidへの対応など、民間企業や個人でも手軽に導入できるのがSimplifyXRの特徴の1つだ。
SimplifyXRのコンテンツ制作マネジメントシステムは、一からARコンテンツを作る場合でも、未経験のクリエイターの制作活動をしっかりとサポートしてくれる頼れる機能となっている。コーディングなどの作業はドラッグ&ドロップで行うことができ、入力ミスによるデバッグ作業が大幅に簡略化される。
また、コードだけではわかりにくいワークフローの把握を視覚的に行うことができるため、制作にあたっている人間はもちろんのこと、プロジェクトリーダーなど監督の立場にある人間でも一目で進行具合がわかるようになっている。
エンジニアとマネージャーの分断を防ぎ、プロジェクトの進行をスムーズにしてくれるのもSimplifyXRの魅力の1つである。
また、UnityのAPIを用いたカスタマイズも行うことができる。これまでUnityを使ってきたエンジニアにとっては、より現場に馴染んだ拡張機能を採用することができるようになるはずだ。
SimplifyXRは現在Kickstarterで注文を受け付けており、49ドル以上の出資で6ヶ月分のライセンスを購入することができる。
ソフトウェアを丸ごと使えるだけでなく、リワード特典としてオンラインでのトレーニングやサポートも受けられるため、これを利用しない手はないだろう。