エクストリーム・ネットワークス新ソリューションに関するブリーフィング開催

エクストリーム・ネットワークスのコンペティティブ・インテリジェンス担当ディレクターのペリー・コレル氏が2019年6月11日に来日し、新ソリューションに関するフリーフィングをメディア向けに開催した。

サイバーセキュリティの対応を進めるべき理由

コレル氏はネットワーキングの分野において長年にわたり幅広い経験を積み重ねてきた人物である。30年以上前、初期のイーサネット時代のCabletronにはじまり、今日のワイヤレスやアナリティクス、AI、クラウドテクノロジーへの切り替わる進化とともに歩んできたコレル氏が今、注目しているのはネットワークの信頼性や性能に加えて、セキュリティを企業が提供するために最新のネットワーキングやマネジメント、インテリジェンステクノロジーをどのように活用できるのかということ。さらに、現実的かつ実効可能なビジネスインテリジェンスサービスを提供するために、最先端のネットワークアナリティクスをどのように注目しているのかが重要だと考えている。こうした考えに基づきながら現在のネットワーキングの業界トレンドについて説明していった。

はじめに、コレル氏は生活者の環境がこの50年でどのように変化していったのかについて説明した。「50年前のオフィスにネットワークはなく、繋がる環境にはなかった。学校も小売店、医療現場も同様にネットワーク環境は全くなかった。それが今ではネットワークなしでは成立できほどになっている。例えば、フロリダで教師をする私の友人はスペイン語の授業をメキシコシティとネットワークを結びながら、英語とスペイン語で会話を成立させている。こうしたデジタル学習が教育現場で進んでいる。また顔認識技術が教育現場に導入されることによって、学校の安全を監視ネットワークによって守る環境も整いつつある。また最も重要な変革が起こっているのがヘルスケア業界だ。デジタル化によって世界中にいる専門家の判断を仰ぐことも可能になり、どこにいてもよりよい医療が受けられる環境が整えられている。こうした大きな変化を誰もが素晴らしいと思っていて、誰もが進んでいくべき道だと思っている」。

続いて、自立型エンタープライズを目指す1000社の企業を対象に行われたアンケート(フォレスター調査)結果を紹介した。これによると、回答した企業の74%がデジタルフォーメーションを理解し、価値があると考えていることがわかったという。しかし、これに対して、デジタルフォーメーションに対応できる人材は15%に限られる。この結果から、コレル氏は「技術を理解し、何ができるのか受けとめ、評価すること。そしてデータの活用を行いうことが大事である。これを実践するために、機械学習や人工知能が求められる」と解説した。そのなかで、最も重要なポイントは「サイバーセキュリティ」という。「人がどこで何をやっていたのか情報を保護していく必要がある。サイバーセキュリティ対応をさまざまな企業が進めている」と続けた。

またガードナー社の調査結果では、1年先には95%の企業がエンジニアリングに投資したいと答えていることがわかった。こうした企業のニーズに合わせたエクストリーム・ネットワークのマーケティング戦略の考え方もコレル氏は明かした。「ハードウェアや基盤となる部分はアジャイルに移行することを考えたもので、インテリジェンスはセキュリティ、情報を扱う分野になる。また洞察、分析に対応する製品もある。今、最も力を入れているのがオープンエコシステム。エンドユーザーに買いたいと思える環境を整えることが目的にある。IP管理者自らが判断し、ネットワーク上の問題に対応するプロセスを簡素化し、より自動的に対応できるものに注力している。それは企業全体の事業運営に役立させることができるからだ」。そして、5Gにも注目が集まっているなか、コレル氏は2020年以降のネットワーク社会を未来予測し、「5GもWi-Fiシステムも、それぞれ支援し合っている。協会自体も共存する必要性を語っている。だから、ユーザー自身が使い方によって、必要に応じて使い分けていくことが予想される」と述べた。

理想的なデジタルフォーメーション実現

こうした現状を踏まえながら、発表したばかりの新ソリューションについても説明した。一つ目が新しいタイプのネットワーク・セキュリティ「ExtremeAI™Secrurity」である。詳細な可視化によって悪質なトラフィックを検知し、IoTデバイスの異常な挙動をリアルタイムで監視し、エンタープライズ・ネットワークの状況を明確に提示することができるものになる。疑わしいデバイスとトラックへの対処を完全に自動化することを実現する。二つ目はあらゆる業界の企業向けに最適化されたソリューションを構成できる「Extreme Elements™」である。自立型ネットワークを構築するために必要な基本構成要素を提供し、最終的にはアーキテクチャと自動化、人間のインテリジェンスが調和した自律的な企業への進化を支援するものになる。他のネットワーキング・アーキテクチャとの違いは、オープンかつ標準ベースのエコシステムでマルチベンダーに対応していること。構築・パッケージされた柔軟性のあるソリューションに移行しようとしている企業のニーズを汲み取ったソリューションになる。これはつまり、コレル氏が説明した理想的なデジタルフォーメーションを実現させる。

コレル氏は最後にこれまでの知見からネットワーキング分野のソリューションを導入する上で根本的な考え方も伝えた。「最終的にセキュアな環境を作っていくために一番重要なのは人。デジタルフォーメンションは最終的に完全自動化でエンタープライズを実現していくが、人によってその考え方が異なるからだ。ネットワーク内で何が起こって、どんな対応が必要かどうか、どのように分析するかの判断は人に任されている。また、手を打たなかったから何が起こるのか、予測するか否かも人に委ねられている。ソフトウェアの構築を自動化することもできるが、どこまで自動化するかも判断次第になってくる。どれぐらいまで自動化すると、安心できるかどうかもお客様次第。今は、カメラもドローンで飛ばせることができ、飛行士が運転しないオートパイロットも最先端技術で実現できる。だが、どこまで自動化を進めるのか、安心レベルが担保できるのか、その判断は企業や人によって異なる」。
 
また日本市場においてエクストリーム・ネットワークスの事業を指揮・統括するエクストリーム・ネットワークス株式会社執行役員社長の大野鉄司氏は「エクストリーム・ネットワークスは統合的なソリューションを提供できるのが強み。自動化の世界で勝ち抜くために必要なことでもある。世界的にはエンタープライズ・ネットワークを一般企業の多くが導入しているが、日本ではデータセンターとキャリアに集中している。今後はエンタープライズの自動化にポートフォリオとソリューションを持つ強みを活かして、グローバルトレンドと同じようにネットワークベンダーにも導入を進めていきたい。製品提供においては差別化を図って、ハードウェアとアプリの組み合わせを展開させていきたいと思っている。Wi-Fi6がスタートする今、チャンスでもある。Wi-Fiのプレイヤーとして認識されていないところもあり、新しいテクノロジーが始まるタイミグに日本市場で広く攻めていく。我々が提供するネットワークビジネスに対する期待値は高いはずだ」と述べた。