周囲の空気の状態を手軽に確認「PiCO Home」

空気の状態の管理は、老若男女を問わず都市に住む人にとっては重要性の高い健康管理の一環である。

喘息や気管支炎、あるいは花粉症など、呼吸に関わる病気の多くは空気の汚れが発症や症状の悪化につながっていると考えられており、都市部は人口が密集し、かつ排ガスやホコリなどの不純物も空気中に多く含まれている。

こういった目で捉えることの難しい公害は、まずはそれが可視化されなければ対処法もわからないもので、空気の汚れに対する意識が今ひとつ向上してこなかったのは、目に見える汚れではないからというのは要因として大きいだろう。

「PiCO Home」はそんな空気に対する意識を変えてくれるきっかけを持ったデバイスで、いつでもどこでも持ち歩きながら空気の状態を観測してくれるプロダクトとなっている。


日本でも深刻な空気の汚染


空気の公害の問題は経済発展の著しい途上国、たとえばインドや中国などで深刻とされているが、先進国である欧米諸国や日本においても同様である。

特に日本は大陸からの偏西風などの影響により、黄砂やPM2.5など、島国であるにも関わらず大きく他地域からの公害の影響を受けやすい。どれだけ日本の空気の状態の改善に取り組んでも、外からの影響を受ける以上、各家庭で対策せざるを得ないこともあるのである。

また、日本で最も大きな空気に関する公害といえば、花粉の問題である。花粉症は毎年春が近づくと症状が現れるアレルギーの一種で、スギ花粉などと空気中の誇りや排ガスが混ざり合うことでくしゃみや咳の症状を引き起こすが、昨今では日本人だけでなく、海外からの観光客にも深刻な被害を与えているという話もある。

花粉症も花粉の少ない地域や、花粉と混ざり合う不純物の少ない場所へ行けば比較的症状が緩和されるが、それでも毎年同じように普段の生活圏内をその時期だけ離れるというわけにはいかない。

そのため、花粉症を抑制するにはできるだけ生活圏内の花粉量を減らし、空気の状態を改善することが重要となるが、PiCO Homeはまずそれらを可視化することで状況改善のサポートをしてくれる。

室内・屋外問わず活躍


PiCO Home本体のサイズは小さく、スマートフォンをさらに半分に折りたたんだ程度の大きさで、まさに手のひらサイズとなっている。

センサーで読み取ってくれるのは、PM2.5や空気中の誇りといった有害物質から、気温や湿度、揮発性の有機化合物(VOCs)、二酸化炭素と、空気中に含まれているあらゆる物質が対象となる。

周囲の空気の状態を手軽に確認「PiCO Home」


PiCO Homeで読み取ったデータはスマートフォン向けの専用アプリから参照することができる。アプリ内ではリアルタイムでの上記の物質の含有量のほか、これまで収集したデータの閲覧や、空気中に物質に関わる健康ガイドや予報なども確認することが可能だ。

PiCO Home本体はBluetoothによる接続だけでなく、WI-Fiによるインターネット接続もできるようになっている。そのため、スマートフォンを介さずとも自ら情報収拾を行うことができる。

また、小型モデルの空気モニターとなっているため、室内だけでなく屋外での使用にも最適だ。光化学スモッグやPM2.5、そして花粉など、有害物質は常に一定量が空気中に存在しているわけではなく、リアルタイムで時間とともにその含有量も増減を繰り返す。

子供を外で遊ばせるときや、屋外での活動を考えてはいるものの、空気の状態が懸念される場合は、PiCO Homeを持ち歩きながら、様子を見つつ外へ出ることができるだろう。

また、湿度や温度の状態などもモニタリングすることができるため、普段の健康管理にも最適である。ベッドルームやリビングルームなど、空気の乾燥状態や室温を確かめ、快適な空間となるよう調整するための指標となってくれるはずだ。

周囲の空気の状態を手軽に確認「PiCO Home」


PiCO Homeはスマートフォンだけでなく、Alexaとの連携にも対応している。直接アプリから確認することができないときは、Alexaに呼びかけることで、音声情報によって情報を得ることができるだろう。

PiCO Homeは現在注文をKickstarterで受け付けており、一台当たり89ドルで購入が可能となっている。