コーディングが直接反映されるロボットボードゲーム「Mojobot」
プログラミングエンジニアの存在は将来的に大きな役割を担うようになるだけでなく、今日の時点で大きな人手不足の波が訪れている。エンジニアがお金になる職業であるのにも関わらず求人が相次いでいるのは、プログラミング教育が追いついていないということも大きい。
言語と同等の重要性が指摘されているプログラミング教育だが、同時に少しでも早く、深くスキルを身につけられるようなカリキュラムの構築にも大いに注目が集まっている。
「Mojobot」は子供のコーディングの手助けとなるプロダクトとして開発されたが、遊びながらプログラムの知識を深められる優れた製品となっている。
全年齢対象で学べるプログラミング教材
Mojobotはデザインこそ子供むけを意識した製品だが、そのわかりやすさはプログラミングを始めた大人にとっても嬉しいわかりやすさだ。老若男女を問わず、Mojobotはプログラミング初心者にとって、そのエッセンスを詰め込んだ学習教材なのだ。
Mojobotはボードゲームとロボティクスを組み合わせたような使い方が特徴的だ。プログラミングはもちろんコンピューティングスキルの1つなのだが、Mojobotでプログラミングを学ぶ場合、ディスプレイを眺めることなく学習を進められる点が魅力の1つだ。
プログラムの組み立てやセンシング、数値計算などはすべてボード上、およびロボットの動作に反映される。PCやディスプレイがなくとも、Mojobotさえあればプログラミング学習を行えるのは大きな特徴である。
ディスプレイを眺めるだけのコーディングは退屈になりやすい。特に飲み込みが早い子供たちにとって刺激の少ない学習は大きな機会損失となってしまう可能性があり、少しでも彼らの好奇心を刺激できるような遊びの多い学びを提供することが肝要だ。
Mojobotはそんな退屈なプログラミング教材とは一線を画しており、ディスプレイに依存せずロボットに各種センサーなどを搭載し、コーディングの結果が物理的なアウトプットに反映されるよう作られている。
ライトセンサーや発光装置、表情豊かな目の動きや、サウンドセンサーとスピーカーによる音声入出力機能、障害物センサーとラインセンサー、ポジショニングセンサーによる空間把握など、まるで生物のようなセンシング能力で、コーディングの楽しさを存分に引き出してくれる。
プログラミングのエッセンスを学び、楽しめる教材
Mojobotのコーディングは、キーボードではなく専用のプラットフォームを用いて行う。コードはそれぞれブロック化され、まるでパズルのようにMojobotへ与えたい機能をプラットフォーム上に付け加えていくことで実行することができるため、タイピングミスでエラーが生じるということもない。
プログラミングが最も楽しく、かつ重要なことはコーディングによってどういった機能が生じるのかということを目で見ることにあるが、マニュアルタイピングでのコーディングは、ヒューマンエラーによってそういったプログラミングの重要な側面を見逃してしまったり、学習意欲を削いでしまう原因となりやすい。
Mojobotは通常のコーディングとは違ってできることは限られているものの、そのエッセンスを実感するには最適な学習教材なのだ。
また、おもちゃめいているとはいえ、Mojobotもその本質は立派なプログラミング教材である。学習に際してはコンピュータースキルだけでなく、問題解決能力を養い、ロジカルにものを考える習慣も身につくことになるだろう。
Mojobotは付属のボード上を走らせることで、アドベンチャーを楽しむことができる。ボードには町のあちこちの様子について描かれており、小さな子供とMojobotで遊ぶ際には場所な名前を記憶したり、どうやってMojobotを走らせれば最短で目的地にたどり着けるか、といった頭を使う遊びも可能となる。
マップはジグソーパズル上となっており、自由に配置を変えることも可能だ。好きに町の姿を組み替えて、毎回違うレイアウトで遊べば飽きがくることもないだろう。
Mojobotは現在Kickstarterで注文を受け付けており、130ドル以上の出資でスターターキットを一台購入することができる。発送は香港から世界各国に配送が可能なため、日本からの注文にも対応している。
Mojobotが実際に動いている様子は、Kickstarterのサイトから確認することが可能だ。