ソーラーパネル付きのスマートクーラーボックス「LiONCooler」
ただ、従来のクーラーボックスはあくまでも外部からの熱が伝わりにくいよう設計された箱というだけで、クーラーボックスそのものが内容物を冷却してくれているわけではない。そのためクーラーボックスの中に氷を敷き詰めるなどの工夫をしなければ、内容物を冷却することはできなかったのである。
そこで新たに誕生した次世代のクーラーボックス、「LiONCooler」はアイスレスでも内容物を冷却できるだけでなく、スマートフォンからコントロールが可能な次世代のスマートクーラーボックスとなっている。
氷なしで機能するクーラーボックス
LiONCoolerは氷がなくとも冷却ができる分、バッテリー内蔵によって冷却が行えるよう設計されている。そのため電源に接続する必要のないポータブルな作りとなっており、使い勝手は従来のクーラーボックスと大差ないだろう。
氷を使わずに冷却できるようになったことで、長時間の使用であってもその冷却効果が時間の経過で衰えてしまう心配はない。同時に氷を入れるタイプのクーラーボックスは、氷を入れた分だけ重さが出てしまい、時間の経過でボックスの内部も温まってしまう。
LiONCoolerのようなアイスレスのクーラーボックスは、朝から晩までずっと同じ低温を維持できるのが魅力だ。その上氷の重さもないため、持ち運びのストレスも小さい。
LiONCoolerは単に冷却が可能なだけでなく、最低で-20度の氷点下での使用も可能となっている。単に飲み物を冷やすだけでなく、冷凍品も凍らせたまま屋外へ持ち出すことも可能だ。
バッテリーは何度も利用可能なりチャージブルタイプで、4~6時間の充電で10時間の運用が可能となっている。これまでクーラーボックスを持ち出すたびに大量の氷を用意し、使用後はそれを捨てたりしていた手間を考えれば、バッテリーの充電のみで運用可能なLiONCoolerは、利便性の上で大きく向上したクーラーボックスと言えるだろう。
また充電は通常の電源からだけでなく、付属のポータブルソーラーパネルから行うこともできる。屋外でバッテリー切れを起こしそうになった場合は、ソーラーパネルを持ち歩いておけば安心だ。
本体にはUSBコネクタも搭載されており、スマートフォンの充電もLiONCoolerを使って行うことができる。アウトドアの現場では周りに電源がないために苦慮することの多いスマホの充電だが、このクーラーボックスがあればそのような問題ともおさらばできるだろう。
誰でも扱えるクーラーボックス
LiONCoolerはラゲージスタイルで車輪を転がしながら移動させることができる。この形式なら女性や子供といった筋力に劣る人であっても、一人で楽々持ち運ぶことが可能だ。
LiONCoolerのケースのフタ部分は取り外しも可能で、中の飲み物などを冷蔵庫のように自由に取り出すこともできる。一度に多くの人へ飲み物を渡したいときなどは重宝する手軽さだ。
またLiONCoolerは専用のアプリケーションを使って、スマートフォンから温度調節を行うことも可能だ。気温はその日の気候や時間帯によって異なるため、適宜温度調節を行わなければ期待していたような効果をクーラーボックスから得られないということもある。
LiONCoolerは本体を直接操作することで温度調節が可能だが、アプリからリモートコントロールで操作すればわざわざLiONCoolerのそばまで行く必要もなく、慣れない操作で誤った調節をしてしまう心配もないだろう。
クーラーボックスのサイズは30L・40L・50Lの全部で3つ存在する。一人暮らしや家族で使う程度であれば一番小さなものでも十分だし、スポーツチームなどで活用するなら50Lの大型サイズを購入すると良いだろう。
LiONCoolerは大手家電メーカーのLGとパートナーシップ契約を結んでいる。本体保証はデベロッパーによって1年間有効だが、本体内部のコンプレッサーに関しては2年間の保証が付与されている。頻繁にクーラーボックスを持ち出す家庭やスポーツチームにとってはありがたい保証となりそうだ。
LiONCoolerは現在Kickstarterで注文を受け付けており、30Lのモデルは539ドル、40Lは559ドル、そして50Lモデルは599ドルで購入することができる。
事実上、持ち歩き可能な冷蔵庫兼冷凍庫として活躍するLiONCoolerは、アウトドアやスポーツ、そして災害時にも大きな活躍が期待できるはずだ。