3つの機能が1つになった3Dプリンター「Snapmaker 2.0」
3Dプリンターがあまり普及しない理由としてはコスト以外にも、紙の2Dプリンターほど需要がなかったり、3Dデータを用意したり作成するスキルがないといったことも考えられるが、何よりスペース確保の問題や、周辺機器を揃えるのにもコストとスペースが必要になるといった
問題も挙げられるだろう。
ただでさえ立体物を生成するにはコストも場所も取るものだが、「Snapmaker 2.0」はそんな3Dプリンティングを少しでも合理的に行えるよう、コンパクトで多機能なプリンターとして誕生したプロダクトだ。
搭載されている3つの機能
開発チームは2017年にもオリジナルの3DプリンターをKickstarter上に公開し、1万ものユーザーコミュニティを形成するほどの売り上げを記録した信頼性の高いグループだ。
今回のSnapmaker 2.0はそのアップグレード版となるプリンターで、基本的な性能の向上と新たな機能を搭載して今回のリリースにつながった。
3Dプリント技術といってもその役割は様々で、用途に応じた技術の使い方があるものだ。そして大帝のプリンターはその機能ごとにハードウェアが分かれており、1つの筐体に1つの機能で利用する必要があったが、Snapmaker 2.0は3つの機能が1つの本体に搭載されている。
1つ目の機能はもちろん、立体物生成技術だ。素材を本体に流し込んで希望する3Dモデルをインプットすれば、あとは自動的にプリンターが設計図通りに立体物を生成してくれるという便利な代物だ。
Snapmaker 2.0のプリント技術は高く、高精度なパーツを使ったプリンティングで誤差の小さな生成が可能となっている。インクジェットプリンタとは異なり、3Dプリンタは立体的なものを作り出すため、わずかなズレが生成物のクオリティに大きな影響を及ぼすことも少なくない。
誤差はわずか0.005ミリの範囲に収まるので、高い再現性で何度でも同じもの生産することも可能だ。
2つ目の機能がレーザー彫刻・カッティング技術だ。ナイフではなくレーザーの熱で物体を彫ったりカットすることのできるこの技術は、3Dプリントと同様、人間には真似ができない精度で自在に作品を生み出すことができる。
この機能は付属の専用モジュールと3Dプリンタ用モジュールを取り替えることで使用でき、取り替えもワンタッチで行うことのできる利便性が魅力だ。
ただでさえメンテナンスが複雑になりがちな3Dプリンタだが、Snapmaker 2.0であれば初心者でも簡単に管理・コントロールが行えそうだ。
3つ目の機能がCNCカービング機能だ。こちらは硬度の高い物体に彫刻を施したり、カットしたりするときに使う機能だが、この能力を備えているおかげで扱える素材の幅は大きく広がる。これまでのレーザーカッターであればプラスチックなどの柔らかい素材に限定されていたものだが、Snapmaker 2.0であればその点を考慮することなく運用が可能だろう。
周辺機能も充実
Snapmaker 2.0はUSBポートからデータをインプットすることもできるが、本体に直接Wi-FIへ接続するための環境も整えられている。パソコンから直接、あるいは外出先からSnapmaker 2.0へデータを送信することもできるので、使い勝手は優れたものとなりそうだ。
また、Snapmaker 2.0は停電対策も万全だ。プリンターは動作の途中で停電が起こると進行状況がリセットされ、今まで進行中の作業が無駄になってしまうということもあるものだが、Snapmaker 2.0であれば停電や電源供給の断絶を感知した際、自動的に親交状況を保存してくれる。いかなる場合でも、Snapmaker 2.0であれば作業を完了することができるだろう。
Snapmaker 2.0はメンテナンスも簡単に行えるよう設計されており、ホコリなどが細部に入り込んでしまって動作不良を起こすことも稀だ。3Dプリンタは2Dのプリンタとは違って木くずや素材クズが大量に発生してしまうものだが、Snapmaker 2.0本体がそれによってトラブルを起こしてしまう心配はない。
Snapmaker 2.0は現在Kickstarterで出資者を募っており、一台当たり719ドル以上の出資でスターターキットを購入することができる。
3Dプリント機能だけでこの値段なら特筆することもないが、3つの機能が備わってこの値段ならかなりリーズナブルな値段設定と言えるだろう。