アポロ11号到達記念のDEFCON用バッジ「LunarLanderBadge」
人類で初めて有人の月面着陸を達成したと言われるアポロ11号は、2019年で50周年を迎える。月面着陸から半世紀が経過し、人類のテクノロジーは大きく進歩したが、地球外の地に人類が初めて踏み降りたという偉業は忘れがたく、初心を振り返るという意味でも常に脳裏に残しておきたい歴史の1つである。
今年は50周年を迎えるにあたり、様々な分野でアポロ11号に引っ掛けたイベントが催されるようだが、ハッカーの祭典、「DEFCON」の参加者にもアポロ11号にちなんだインディーバッジを製作している学生がいる。「LunarLanderBadge」は今年のDEFCON向けに開発されたインデーバッジだが、アポロ11号をモチーフとした機能が多く搭載されている。
世界最大のハッキングイベント、DEFCON
DEFCONは世界最大のハッキングファンによるイベントで、ビジネス色の強いハッキングイベントである「Black Hat」に比べるとその雰囲気はとてもカジュアルだ。アメリカのラスベガスで催される同イベントには世界中からハッカー、テクノロジーファンが集結し、各々の興味に合わせた会場内の展示会やコンペティションに参加する。
DEFCON会場内で使用する参加者パスも、一般のイベントのような単なる紙やカードとは違い、ハッキング可能なコンピューターとなっている。イベント内のありとあらゆるものがハッキングに関係したイベントだが、せっかくの機会に合わせてLunarLanderBadgeのように自作のバッジを持ち込むことを希望する参加者もいる。
LunarLanderBadgeはLuna Lander、つまり「月面着陸者」という名を冠しているように、アポロ11号の偉業に敬意を表したバッジだ。内部には軽量のリポバッテリーが搭載されており、小型ながら充電も可能なため、記念品のようなアイテムでありながらも何度でも楽しめるのが魅力の1つだ。
インディーズで作られるバッジは基本的にどんな機能を搭載しても良いのだが、LunarLanderBadgeは初めから簡単なゲームが搭載されているのが魅力の1つだ。ゲームはいたってシンプルな内容で、レトロ形式で行われるアポロ11号の月面着陸を模した着陸ゲームのようなものとなっている。
遊ぶことのできるゲームは二種類搭載されており、もう1つがコマンドモジュールを管理するというものだ。これらのゲームはいずれもハイスコアを狙うシステムとなっているが、これらのスコアは他のユーザーと競いながら遊ぶということも可能だ。
LunarLanderBadgeは他のバッジ所有者とも情報を共有することができ、Bluetooth機能を通じてスコア情報は自分の会った人と直接競い合うことができる。
あらかじめ搭載されているゲーム以外にも、LunarLanderBadgeが用意しているフレームワークに対応した新しいゲームを製作したり、インストールすることもできる。このフレームワークは今年のDEFCONが開催された後に、C++コードとドキュメントの形でGithub上に公開される予定となっており、大会後もしっかりと楽しめるハードウェアとしての活躍が期待できる。来場者にとっては良いお土産となるだろう。
完成形はより理想的なモデルに
現在LunarLanderBadgeはプロトタイプの段階で、実際に注文者の手元に渡るものは現在のものに改善が加えられた製品版となる予定だ。
スクリーンは正確な水平上に中央へ配置され、現在配置されているボタンの位置はもう少し理想的なものへとやや変更が加えられるという。
また、プロトタイプはマニュアルの半田付けのままで終わっているが、完成した製品版は機械を使い、正確に組み上げられることになっている。写真のものはプロトタイプのため、製品版については続報を待ちたいところである。
LunarLanderBadgeは現在Kickstarterで注文を受け付けており、一台当たり100ドルで購入することができる。送料は基本的に有料だが、DEFCONで直接の受け渡しを選ぶこともできるため、こちらのプランの場合はもちろん送料無料だ。
発送がアメリカ国内に限定されているため、日本など国外からの購入希望者は直接DEFCON会場で受け取るのが良さそうだ。
注文プランには通常のEagleプランと、充電バッテリーが付属したApollo、そして開発チームのサインと自分の名前がクレジットされる権利が付属するOdysseyプランが存在する。Odysseyプランのみ250ドル以上の出資が必要だが、是非ともという熱心な支援者は選んでおきたいプランとなっている。
今年のDEFCONのテーマは "Technology's promise "ということだが、テクノロジーがもたらす確かな力を確認するのに、アポロ11号の着陸50周年はフィットするお題となりそうだ。