いつでもどこでもサックスを練習「Travel Sax」
仕事などで毎日を忙しく過ごしている場合、仕事終わりからさらに何かに打ち込むというのはかなりの気力を要するため、気軽に楽しめるようになるまでにはある程度の根気が必要となるものだ。
そのためには少しでも長い間楽器に触れている時間を増やすための工夫が必要となるが、「Travel Sax」はサックスを練習したい人にとって大きな手助けとなってくれそうだ。
練習時間を少しでも長く確保するために
サックスは楽器の中でも始めたいと考える人の多いものの1つであるが、難しいのはやはり練習場所の確保である。ピアノやギターの場合ある程度音量を制御することができるため、周りの環境に配慮する必要がないので好きなタイミングで練習することもできるものだが、サックスの場合は事情が異なる。
吹奏楽器は練習に際してかなりの音量が出るため、普段の調子で演奏する場合は自宅などの室内では難しい。音量をある程度小さくするためのツールもあるが、それでもやはり集合住宅などで思い切り練習するには気を使ってしまうものである。
あるいはサックスに限らず、楽器全体に言えるのが練習時間の確保の問題である。大抵の場合楽器は大きく、気軽にいつでも持ち歩くには難のあるものばかりなため、気が向いた時に練習できるような環境はそうそう手に入るものではない。
仕事の合間や通勤時間、出張先など、いつでも練習ができるような状況を作ることが演奏スキル上達にも大きく役立つものだが、どうしても家にいる時や休みの日にしか練習ができないということになってしまうものである。
Travel Saxはそのような練習に関わる問題を解決するために生まれた新しい電子サックスである。通常のサックスとは異なり、電子サックスはコンピューターで制御された音を奏でることになるため、音量の調節は自由に行える。そして何よりTravel Saxは、単に音量を調節できるだけでなく、いつでもどこでも練習できるような使い勝手を追求したモデルだ。
Travel SaxはTravelという名前を冠している通り、どこにでも持ち運べることが大きなメリットとなっている。サイズは小さく、重量も軽いためちょっとしたカバンなどに入れておけば、通勤・通学の時間や休憩時間、旅行先でも気軽に練習することができる優れものだ。
本体サイズは22cm、重さは300グラムと、まるでバッグにペットボトルをしのばせるかのような感覚でサックスを持ち歩くことができる。他の荷物などを圧迫する心配もないため、どんな用事であっても常に手元にサックスを備えておくという環境を実現することが可能だ。
サイズが小さいとは言っても、基本的には使い勝手は通常のサックスと変わらない。入力キーの配置は本物のサックスと同様の配置を再現しており、電子サックスと本物のサックスでの使い勝手の違いに悩まされる心配はない。
電子サックスとしても高い性能を発揮
また、Travel SaxはBluetooth接続が可能となっている。無線接続によって手持ちのタブレットやスマートフォン、PCなどと接続し、録音機材やDTMソフトと同期させることで自在に音色を変えたり、デジタル録音を行うことができる。Travel Saxのような電子楽器の優れている点として、高価な録音機器を購入しなくともMIDI入力によってメロディを自在に録音することができるという点だ。この機能をうまく活用することで、サックスはより身近に、練習しやすい楽器として活用できるだろう。
また、スマートフォン向けアプリとしてTravel Sax専用のアプリも配信予定となっている。アプリを通じて練習したいサックスの音色を選んだり、リマインダー機能を活用して余念のない練習に打ち込むことができるだろう。
Travel Saxはバッテリー式で、一回の充電で最大6時間の連続使用ができる。長時間の外出であっても、6時間しっかりと出先でも練習ができるのはありがたい仕様だ。
Travel Saxは現在Kickstarterで出資者を募集しており、一台当たり5万円程度の出資でTravel Saxを一台購入することができる。スターターキットには本体だけでなく、アプリケーションや専用のケースも同梱しているため、購入すればすぐにTravel Saxを持ち出して使うことができる。