メンタルヘルスケア効果が期待できるリアルな犬型ロボット「Tombot」
そしてメンタルヘルスの改善に効果的とされているのが、動物とのコミュニケーションである、特に犬のように人懐っこく、従順な生き物との交流は寂しさや不安を紛らわせてくれる役割を果たすため、実際にリハビリセンターや刑務所といった施設でケアに当たっている例も多い。
ただ、個人的にペットとして犬を飼うというのはそれなりのハードルも存在する。犬にも寿命があるため最後まで面倒を見る必要があったり、生き物である以上必ずしも自分が思っているように育たない、あるいはそもそもペット禁止の家に住んでいると、犬を飼うことすらままなら伊ケースもあるためだ。
「Tombot」はそんな本物の犬だと起こってしまうかもしれない問題を回避するために生まれたロボットで、メンタルヘルスの回復に良い影響を与えてくれる可能性を秘めている。
高齢者のメンタルヘルスの問題
高齢者の精神的な病に関する問題は深刻である。人は歳を重ねるにつれて涙もろくなるというが、それだけでなく鬱っぽくなってしまったり、不安ごとが増えたり、孤独感や苛立ち、あるいは認知症に悩まされるケースもある。
健康な若者であればこれらのメンタルの問題は仕事やスポーツに打ち込むことで解消することもできるが、仕事も定年を迎え、時間を持て余してしまいがちな高齢者は身体の衰えも相まって、こういった問題に対処することは難しい。
重要なのは高齢者に彼らが社会的に見捨てられた存在ではないと感じてもらい、常に感情的な気持ちになれるよう機会を設けてやることなのだが、そのために役立つのが犬の存在である。犬の世話は飼い主を寂しさから遠ざけ、コミュニケーションを生んでやる良いきっかけとなるだろう。
しかし高齢者が新たに犬を飼う場合、例えば寿命の問題がある。犬よりも先に飼い主がなくなってしまうと、親族や周りの人に世話をかけてしまうことになるかもしれないし、犬が元気すぎた場合には逆に飼い主の負担となってしまうことも考えられる。
そこで活用したいのがロボットのTombotである。Tombotは室内で使用するためのリアルな犬型ロボットで、体の不自由な高齢者でも十分に犬との生活を楽しむことができる。
フレンドリーな犬型ロボット
Tombotの見た目はリアルのぬいぐるみのようなビジュアルで、ロボットにありがちな無機質な雰囲気はない。触り心地もソフトで、飼い主には安心感を与えてくれるだろう。
Tombotは触った箇所に応じたインタラクティブアクションが可能で、単に犬らしい外見だけでなく、まるで本物の犬のような挙動を楽しむことができる。ぬいぐるみではなく、犬を飼っているような気にさせてくれるのがポイントだ。
また挙動や触り心地だけでなく、音声入力にも対応しているのが特徴である。ボイスコマンドに応じて様々な反応をしてくれるため、まるで本当に犬を飼っているかのような気にさせてくれるのが嬉しい特徴である。
また、毎日の世話も本物の犬と比べれば非常にシンプルである。Tombotはバッテリー式で、夜の間に充電しておけば一日中飼い主の相手をしてくれる。もちろんトイレやご飯、定期的な散歩の世話も必要ないため、高齢者にはありがたいメリットである。病気や衛生環境の問題もないため、健康に心配のある高齢者でも安心して購入すること可能だ。
Tombotは一般的なロボットペットと比べて比較的リーズナブルな価格である点も嬉しい。例えばソニーのアイボなどは30万近い価格である一方、Tombotは5万円ほどの価格で購入することができるため、気軽に購入することができる。
ロボットペットはその値段から敬遠されることもあるが、Tombotであればその点も心配なさそうだ。
Tombotは現在Kickstarterで出資者を募集しており、早期出資者は3万円程度の出資でTombotを一台手に入れることができる。ただ、発送はアメリカ国内に限定されており、日本からの注文はできない点に注意が必要だ。
本体は購入しないが、このプロジェクトを支援したいという人向けのプランもあり、金額に応じてオリジナルのTシャツなどがもらえるものも存在するため、興味のある人はそちらで支援しても良いだろう。