音声認識機能付きMIDIボーカルキット「DUBLER STUDIO KIT」
思いついたフレーズが脳の中に現れた時、キーボードやギターなどで即興的に演奏することができれば良いのだが、頭の中のイメージをすぐに演奏に落とし込むのにはそれなりの技術が必要になる。加えて音楽制作初心者となれば、頭の中にあるフレーズを現実世界に落とし込むまでに時間がかかってしまい、正しい音を探している間に欲しかったフレーズを忘れてしまうということもあるものだ。
これはプロの演奏家でも起こりうることで、できれば良いと思ったフレーズはすぐに形にして残しておきたいが、「DUBLER STUDIO KIT」はボーカルのメロディを認識し、MIDI入力でそのフレーズを残してくれるという、優れた機能を持つキットになっている。
頭に浮かんだハミングをすぐにMIDI化
一見するとカラオケキットのような見た目のDUBLER STUDIO KITだが、その最大の特徴は音声認識機能によるMIDI入力だ。これまでDTMソフトなどにマイクを直接接続しても、その音声をそのまま取り込んでの録音が可能なだけで、そのボーカル音声がどのようなメロディーなのかといったデジタル解析を行うことはできなかった。
DUBLER STUDIO KITはリアルタイムで取り込んだ音声を認識し、声だけを使って音楽制作が行えてしまうようになる。
家庭用のパソコンで音楽制作ができる、DTMソフトや機材が安く手に入るようになったことで、制作環境は誰にでも整えられるようになった。しかしながら、音楽制作のスキルそのものの習得難易度は今も昔もそれほど変わらず、始めるためのハードルが下がっただけでどれだけ上達できるかについては個人のモチベーション次第と言えるだろう。
DTMで手軽にといっても、音楽制作に必要とされるのはキーボードなどの楽器を演奏する技術だ。キーボードであれば音を出すのには練習はいらないかもしれないが、きちんとした音楽として成立させるためにはコード進行などを学び、感覚だけでなく理論的に音楽を作れるようにならなければ、いつか途中で頓挫してしまうことにもなりかねない。
あるいはギターなどとなれば音を出すのにも一苦労であるため、DTMで制作が簡単になったとはいっても実際に作品を作るためには多くの労力を要するのだ。
DUBLER STUDIO KITは初心者にとっては音楽制作の難易度を下げ、プロフェッショナルにとってはインスピレーションを粗末にせず、より効率的で想像性豊かな作品作りの手助けとなってくれる。
音楽を口ずさむという行為は、ミュージシャンであれ一般人であれ、誰でもその場でできてしまう演奏形態の1つである。DUBLER STUDIO KITによってデジタルデータとして出力することができるようになれば、せっかくのアイデアを粗末にしてしまう心配もなく、これまで音楽のアイデアがあっても始める機会をつかめずにいた人にとって、大きな足がかりになるだろう。
初心者からプロまで使える充実の機能性
DUBLER STUDIO KITのセッティングも非常に簡単だ。対応DTMソフトはAbletonやLogic、ProToolsにFL Studioなど、今ポピュラーなモデル全てに対応している。すでにソフトや機材を持っていて、新たにDUBLER STUDIO KITを導入したいという人でも互換性の心配はない。
自分の声の音声認識は60秒もあれば自動的に完了するため、一度声が登録されれば起動するたびに音声認識がされずに作業が進まないというトラブルも避けることができる。
DUBLER STUDIO KITによる音声入力はリアルタイムで行われるため、録音してメロディー解析を行う以外にも、音楽に合わせたリアルタイム録音も可能だ。タイムラグができてしまうことの使用感の悪さに悩まされることもないだろう。
録音した音声は、ピッチの変更やBPMの変更にも自動的に対応し、調整を行なってくれるよう設計されている。音楽制作を行なっていると、一度録音した音があってもBPMを変更しなければならないケースも出てくるものだが、録音された音声はMIDI入力でメロディに変換されるため、テンポの変更やDTMソフト側の操作で一括したコントロールができる。
スケジュールに追われているプロのミュージシャンはもちろんのこと、機材の操作に不慣れな初心者でもすぐに扱うことのできる機材となるだろう。
DUBLER STUDIO KITは現在Kikcstarterで注文を受け付けている。スターターキットは一台当たり2万8千円程度の出資で購入することができ、ソフトウェアとUSBマイク、USBケーブルがセットになったものが送られてくる予定だ。